社員が少ないのに利益がものすごく出ている会社があります。
それは少数精鋭の会社であることが多いものです。
大企業には大企業の戦い方。
中小企業には中小企業の戦い方があります。
売り上げの大小だけではない少数精鋭の会社のメリット・デメリットについて考えてみましょう。
少数精鋭の会社とは
「少数精鋭」とは人数が少ないが能力が優れた者を集めることを意味します。
会社を少数精鋭にすることこそ中小企業の戦い方です。
少数精鋭の会社を深堀して考えてみましょう。
ムダな社員を雇わない
少数精鋭の会社ではムダな社員を雇いません。
ろくに仕事もせず給料泥棒となる社員がいない会社です。
社員数が増えれば増えるほど生産性の低い社員は増えてきます。
全員が全員、能力が高い社員をそろえることは至難の業です。
しかし、人数を最小限に抑えれば能力値の高い社員で揃えることは可能です。
社員数を厳選して、少数組織にすることで選りすぐった精鋭の社員をそろえることが可能になります。
1人当たりの生産性が高い
少数精鋭の会社は1人当たりの生産性が非常に高い組織です。
人数が少ない会社なのに売上も上がり、利益率の高い会社ですね。
売上高が高いほど儲かっているわけではありません。
人材にかかるコストがかかっていれば、その分支出も増えてしまいます。
これは人数が少ない分コストがかからず、それだけ大きな仕事をしていることになります。
少数精鋭の会社では1人当たりの仕事のウェイトが大きいので大変な部分もありますが、その分スキルアップや大きな仕事をすることができます。
大企業では考えられないような仕事を少数精鋭の会社では経験できるはずです。
管理がしやすい
少数精鋭の会社は人数が少ない分、管理がしやすくなります。
総務や経理面でも人数が増えれば増えるほどコストと時間がかかるんですね。
少数精鋭の会社であれば総務・経理の人材も最小限にできますし、マネジメントもしやすくなります。
サボる部下や指示事項に従わない部下などは、社員数が増えるほど多くなってきます。
そんな部下を管理するコストも大企業には必要なんですね。
少数精鋭の会社にすることで管理コストも大きく減らすことができるのです。
少数精鋭の会社のメリット
少数精鋭の会社にすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
あえて少数精鋭の会社を運営するメリットを考えてみましょう。
コストがかからない
会社の肝は売上高ではなく純利益です。
どれだけ売上高が高くても支出が多ければ会社にお金は残りません。
会社の経営が傾いてきたときに行われる人員整理(リストラ)は、不要な人員を減らすことで利益を確保するための手段です。
それだけ人件費にかかる支出は大きいということです。
生産性の低い人材を雇っているということは、それだけ経営を圧迫していきます。
少数精鋭の組織にすることでコストは最小限に抑えられます。
中小企業は採用人数を最小限にして、優秀な社員を揃えることで利益を確保していきたいところです。
スピード感がある
会社の規模が大きくなるほど、意思決定と伝達に時間がかかります。
組織が大きくなければできないスケールの大きな仕事がある反面、色々なことに時間がかかり出遅れてしまったりできなかったりすることも増えます。
少数精鋭の会社ほどスピード感を重視していて、大企業ができない打ち手を打つことができるんですね。
ビジネスにはタイミングとスピード感が重要です。
社員が少ないからこその機動力は強い武器となるはずです。
トラブルが少ない
少数精鋭の会社は社員が厳選されていますので、トラブルが少なくなります。
社員数は多ければ多いほど、トラブルを抱えた社員も増えてきます。
採用活動のタイミングですべて見抜くことは困難ですし、社員数が多ければ多いほど教育にかける時間も増えます。
クレーム処理やトラブル対応が多いことは企業にとって不利益です。
これらが最小限であるほど、1人1人の仕事量は最大になります。
少数精鋭の組織はトラブルの少なさにも表れますね。
少数精鋭の会社のデメリット
少数精鋭の会社がすべて万能なわけではありません。
社員数が少ないことでデメリットが生まれる可能性もありますので押さえておきましょう。
1人当たりの仕事量が多い
少数精鋭の組織では1人にかかる仕事量のウェイトが大きくなります。
そのため、責任や忙しさが重くのしかかります。
同僚も忙しくなってくるので誰かに頼めずに、抱え込んでしまうこともあるかもしれません。
結果的に残業することに繋がったり、忙しさにつぶれてしまったりする人もいるのです。
少数精鋭の組織は1人にのしかかる仕事量のバランスが難しいところですね。
欠員が出ると大変
社員数が少ないことにより、病気やケガ・退職など欠員が出たときが大変になります。
優秀な社員の代わりがいない状況となることで、一気に組織が崩壊してしまうリスクがあります。
1人が抱えていた仕事量の分散ができなくなるんですね。
残業して捌くしかなくなったり、仕事を断るしかなくなったりすることにも繋がります。
また、少数精鋭の会社ではなかなか代わりとなる社員を育成するのも困難です。
優秀な社員を確保することも難しいので、ギリギリの状況での運営は気を付ける必要がありますね。
できる仕事に限界がある
少数であるだけにできる仕事には限界があります。
どれだけ優秀な社員を揃えても、トヨタのように車を大量生産することはできません。
外注や協力会社をうまく活用するにしても、少人数で運営する以上事業は厳選することが必要です。
人数に比例して事業規模は拡大できます。
中小企業は市場規模と人員を照らし合わせて、人員体制は整えたいところですね。
少数精鋭の会社こそ中小企業の戦い方!まとめ
少数精鋭の会社のメリットをおさらいしておきましょう。
- コストがかからない
- スピード感がある
- トラブルが少ない
会社を少数精鋭にする最大のメリットはコストがかからないことです。
人件費が固定コストの中で最も重く、1人当たりの生産性が高い会社ほど強い会社といえます。
少数精鋭の会社にすることで利益を確保しやすくなります。
中小企業にとっては生産性の低い社員を抱えることがリスクです。
ムダな社員を雇わないように少しずつ拡大していき、少数精鋭の会社にしていくことが中小企業にとって最強の戦い方ではないでしょうか。