歩掛(ぶがかり)とは?建設業界で使われる歩掛の正しい意味と使い方

建設業界

歩掛(ぶがかり)という言葉をご存じでしょうか?

「歩掛わかったら教えてもらえますか?」

お客さんからといわれてキョトンとしてしまう人も少なくないはずです。

そこで、建設業界で使われる歩掛の正しい意味と使い方をわかりやすく解説していきます。

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歩掛(ぶがかり)とは?

歩掛とはどんな意味があって、どのような目的で使われるのでしょうか?

歩掛とは何かを確認していきましょう。

歩掛の読み方

歩掛は正しくは「ぶがかり」と読みます。

「ぶがけ」と読みたくなりますし、実際に「ぶがけ」という人もいますので注意しましょう。

 

歩掛りと書かれることもありますし、施工歩掛(せこうぶがかり)といわれることもあります。

正しくは「ぶがかり」です。

歩掛の意味

国交省の土木工事標準歩掛にはこう書かれています。

公共土木工事の発注における公平性、透明性を確保するため、適正な予定価格を算出することを目的に土木工事費積算要領及び積算基準が定められています。積算基準を構成する土木工事標準歩掛は、全国での施工実態調査に基づき、施工に要する標準的な労務、材料、機械等の所要量を設定しています。

国土交通省 土木標準仕様書歩掛

よくわかりませんよね。

 

わかりやすくいうと、歩掛とは「ある作業を行う場合にかかる必要な作業手間(人工数)を数値化したもの」です。

 

例えば、4時間の交通量調査を軽作業員2人で行うとします。

この場合の歩掛は軽作業員単価×0.5(4hなので0.5日)×2人工となります。

工種ごとにどんな人材がどれだけ必要なのかを計算することを歩掛といいます。

 

歩掛の目的

歩掛の目的は施工に必要な各工種の単価を決めることです。

 

単価=材料費+必要な人件費+諸経費

この必要な人件費を算出すために工種ごとに歩掛を設定しているのです。

 

⇩4級水準測量のサンプルです。

4級水準測量2㎞を行うにあたり、必要な作業工程と人工を算出しています。

これが必要な人件費を計算するための歩掛で、年度ごとに各発注者が設定しています。

歩掛(ぶがかり)の使い方

歩掛はどのように使ったらよいのでしょうか?

次は歩掛の使い方を確認していきましょう。

官積単価を割り出す

歩掛は官積単価を割り出すために必要です。

入札において、発注者がいくらで予定価格を組んでいるのかがわからないと入札はできません。

予定価格について詳しく>>入札における予定価格とは?わかりやすく予定価格の仕組みを解説します

 

発注者が公開している歩掛を単価に落とし込んで、官積単価を割り出していきます。

積算ソフトなどはこの作業を一気に行ってくれますので、利用しているゼネコンも多いですね。 

 

基本的には一つ一つの項目に対して、歩掛から追った単価を算出して、数量に落とし込んで積算します。

この精度が高い会社ほど案件を落札できる可能性が高まります。

年度ごとの労務単価を確認する

単価を算出するのに大切なのが最新の労務単価の確認です。

R3年度 公共工事労務単価抜粋

地域と工種によって労務単価は異なります。

所属する地域における労務単価と歩掛を掛け合わせて、単価を読み解くことが大切です。

 

労務単価は国土交通省により調査が行われ、年に一度更新されます。

○○年度 労務単価」で検索すると確認することができるはずですので、最新の労務単価を確認してみてください。

官積単価算出の例

官積単価算出を歩掛から追って、先ほどの4級水準測量の計算をしてみましょう。

 

⇧測量の労務単価

⇩4級水準測量観測2㎞歩掛

⇩計算式

規格数量単位単価金額
測量主任技師0.1人工45,7004,570
測量技師0.8人工40,00032,000
測量技師補0.8人工30,70024,560
測量助手0.4人工29,60011,840
79,970

官積単価は内外業で必要な人工数(歩掛)×労務単価で算出します。

※人工は「にんく」と読みます。

  

4級水準測量2㎞の単価は79,970と算出されました。

実際の工事内訳は○kmと違うので、延長に応じて金額を割り出すことになります。

歩掛に関する注意点

歩掛の仕組みは少しわかりにくいので気を付けたほうがいいポイントがあります。

歩掛に関する注意点を紹介します。

勘違いしている人も多い

お客さんから「○○工の歩掛があったらもらえませんか」と問い合わせされた場合には、歩掛ではなく単価である場合が多いです。

 

歩掛と単価を混同してしまっているんですね。

これは、受ける側も同様です。

 

その工種を施工するのに必要な人工数を知りたいのか、その工種を施工するための金額が知りたいのかをヒアリングしましょう。

歩掛のない工種の積算方法

歩掛はすべてに設定されているわけではありません。

特殊な工法の場合など、歩掛がない工種について独自に積算が必要な場合があります。

 

歩掛がない工種の積算をするときには、物価本から引用したり三社程度見積を集めて算出したりします。

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このときの積算根拠となるのも、実行に必要な人工数(歩掛)と労務単価で積算していきます。

 

 

計算式の入った単価表は渡さない

歩掛から単価を割り出すのは結構大変ですので、お客さんから官積の単価表を求められても簡単には渡さないようにしましょう。

 

その情報が持っているからこそ、見積を獲得できるのです。

お客さん自身が歩掛から単価計算ができると、見積依頼が減ってしまう可能性があります。

 

計算式や歩掛からつかんだ単価は財産として上手に利用していきましょう。

官積算について>>官積(官積算)とは?建設業界で使われる「官積」の正しい意味と作り方

歩掛(ぶがかり)とは?まとめ

歩掛とは「ある作業を行う場合にかかる必要な作業手間(人工数)を数値化したもの」です。

歩掛×労務単価で欲しい工種の官積単価を割り出すことができるようになれば問題ありません。

 

どうしても「歩掛」と「単価」の意味が、ごちゃ混ぜになりがちですので気を付けましょう。