「もう残業しないから」管理職が宣言して本当に残業しなくなる。
すると、その管理職の下で働く部下たちはどうなるのでしょうか?
実は見習って残業しない部下とサービス残業する部下に二極化します。
5か月間管理職が定時で帰ることで見えてきた組織の変化を詳しくご紹介しましょう。
管理職が残業しない組織の変化
管理職といえば、一般的に多くの仕事を抱え残業しているイメージですよね。
出世すればするほど仕事量は増え、責任が重くなっていきます。
しかし、それだけ仕事を抱えた管理職が残業をやめても組織は大丈夫なのでしょうか?
5か月の経過を見ていきましょう。
管理職が残業しない組織 1か月目
残業しないことにしたのは完全に自己都合の管理職。
「俺、今日から定時で帰るから」
と管理職が本当に定時で毎日帰り始めます。
⇩定時帰りが始まる経緯はこちら
これまで、毎日20時~21時頃まで残業していた管理職が突然残業しないで帰り始めます。
聞きたいことがあってもすぐ聞けなくなるし、自分たちは忙しくて帰れないのに。
でも、管理職がいないから好きな時に帰れるなと思い気楽な気持ちにもなります。
実際に管理職が毎日定時が帰り始めると、報連相は18時以降に直接することができなくなります。
そのため、管理職が帰るまでに報連相するようになり、記録として残るメールを活用することでお互いの齟齬を減らるようになってきます。
管理職側も自己都合で早く帰っていたのに、部下を残業させないで早く帰らせようと考え始めます。
管理職が残業しなくなり、1か月経過すると下記のような変化が出てくるのです。
⇩1か月の経過を管理職目線で
>>「定時で帰る」を営業管理職が1か月継続してみた結果と率直な感想
管理職が残業しない組織 2~3か月目
管理職は会社全体に残業しないことを公言して、定時で帰るようになっています。
2か月も経過すると全社員が定時帰りを認知している状態となってきます。
管理職が定時で帰るなら自分たちももっと働きやすいように働こうと考えるのは当然です。
部下も残業を減らすことや有休消化についても取得を始めます。
>>「定時で帰る」を管理職が2か月継続!新たに分かった工夫と課題とは?
そして、残業しない管理職に対して3か月経ってくると部下たちにも変化が見られます。
管理職が夜はいなくて朝型になっているのを見て、朝型にしようかと考え始めるのです。
管理職が朝型生活を勧めてくることもありますが、だらだら夜残業するくらいなら早朝出勤しようと考えるようになってきます。
朝型生活は通勤も混雑を避けて楽になりますし、集中力があがるので作業効率も向上します。
一方管理職は3か月経過すると、残業を減らす仕組み作りに真剣に取り組み始めます。
長い会議を短くする工夫を考え、3時間近く行っていた会議を1時間程度まで圧縮し始めるのです。
管理職は残業を減らす方法も考え部下に声掛けしていきます。
無駄を減らして作業効率を上げる仕組みを管理職は試行錯誤しながら進めていくのです。
3か月経過すると有休消化の取得率も上がっていきます。
部下たちも自分たちの働き方を考えるようになるのでした。
管理職が残業しない組織 4~5か月目
管理職が残業しない状態が4か月継続されると、さすがにその状態が普通となってきます。
そして、そんな上司を見た部下たちも次第に変化が見られてきます。
影響を受ける部下と受けない部下で二極化が始まってくるのです。
一方は上司と同じように朝型生活に切り替え、定時で帰るようになります。
>>残業しない上司の下で働くと職場はどうなる?4カ月継続した結果とは
朝型に切り替え定時で帰るようにようになった部下は、予算以上の成果を上げてさらに時間効率を意識しています。
管理職サイドもこのように成果が出ている社員には注意をすることもありません。
主体的に行動し、上司の指示にも即座に行動できる信頼できる部下となってきます。
主体的に行動できる部下は、管理職が残業しないことでさらに主体的に行動を取れるようになるのです。
>>管理職目線で見る、信頼できる部下と信頼できない部下の違いとは?
一方で何も変化しない部下は時間効率も上がらないので残業し続けています。
その上数字もあまり伸びてきません。
変化のない部下はやはりミスも多く、時間効率も向上しません。
管理職も時間を多くかけてフォローしたり、行動を指示しなければいけならないので手間のかかる部下は変わらないのです。
そのため、変化のない社員をどうにかしようと仕組みづくりや管理方法を考えるようになってきます。
サービス残業は自主的に行ってもいけません。
どんな社員でも一定の事務処理や成果を上げ続けられる仕組みづくりに、管理職はさらに取り組みだすのです。
>>サービス残業は自主的に行ってもダメ?会社と社員の主張の違い
管理職が残業しないと部下はどうなるか まとめ
管理職が残業しなくなると組織は二極化が始まるようです。
管理職を見習って残業しなくなる部下。
だらだらと働き変化のない部下。
全体的には上司が残業しないことで 事務処理効率が上がり、部下は働きやすくなっていきます。
働きやすい分、部下全体のモチベーションは向上し、士気も上がっていくというのは良い変化といえるでしょう。
ここで、変化のない部下を改善させていく仕組みづくりに管理職の手腕が問われますね。
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⇩残業しない上司のプロフィール
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