仕事がなかなか取れない営業マンがいます。
もしかして営業している相手を間違えていませんか?
決裁者が誰なのかを間違うといくら頑張っても仕事は取れません。
まずは、決裁者が誰なのかを把握することから始めましょう。
決裁者の意味と種類
お金が発生する決定を最終的に行うのは誰か?
業者選定や購買活動において最終的に発注先を決定する人。
またはその権限を持つ人。
それが「決裁者」です。
会社は組織で運営しています。
あなたが話している担当者にはもしかしたら決裁権を持っていないかもしれません。
まずは決裁者の種類を確認してみましょう。
>>BtoB営業とBtoC営業の違いとは?【分かりやすい比較表付き】
担当者
打ち合わせや見積を提出するのは、多くの場合「担当者」です。
担当者は見積を複数社集めて比較するだけでなく、そのまま実務を担当します。
多くの場合、担当者がある程度の決裁権を持っている責任者です。
しかし、営業は打ち合わせをする相手であることから、その担当者に決裁権があると思い込んでしまうと失敗することがあります。
担当者は見積を集めるだけで、決裁権がないかもしれません。
その場合、別の決裁権者に対してもアプローチをかけていた方が有利になります。
ずっと担当者とはよい交渉をしていたのに、最後に決裁者でひっくり返されるというパターンです。
もちろん実務を行うのは担当者ですから、推薦はあるはずです。
しかし、その推薦だけでは勝てない場合があるのです。
セクションの長
法人の場合、部や課といったセクションごとに担当者と責任者を置いています。
部長や課長といった役職を持った人がそのセクションの責任者です。
担当者が複数社と見積、打ち合わせして業者をセクションの長に推薦します。
そして、そのセクションの長は担当者の推薦を受けて、決裁権を持つ責任者として業者選定を行うことがあります。
そのままその推薦を通す場合と、セクションの長が総合的に判断して推薦業者を変えることもあるのです。
セクションの長へのアプローチが全くないと不利になる可能性があるので注意が必要です。
購買部
購買部は読んで字のごとし、物やサービスを購入するセクションです。
ある程度の規模の会社になると購買部を置き、業者選定に関わります。
購買部はお金に重きを置くので、複数社見積して競わせたり、金額の値下げを要求したりします。
なるべく安く仕入れをしたいセクションです。
どれだけ担当者とよい打ち合わせをしていても、購買部の決裁で負けてしまうことがあるのです。
社長
社長自らが決裁するというのは案件にもよります。
大金が動く大きな決裁か、中小企業で社長自らが顧客管理をしているのか、担当者からの推薦に対して直接的な判断をする場合もあります。
小さい会社でない限りすべて社長決裁ということは少ないかもしれませんが、社長自ら決裁するケースも存在します。
社長は会社の代表者ですから、直接的に係わる場合は最も決裁権を持っています。
決裁者の見抜き方
決裁者が誰なのかは会社によって異なります。
これを見抜かないことには見当外れな営業となり、仕事がなかなか取れません。
誰が決裁者なのかを見抜きには工夫が必要なのです。
その決裁者の見抜き方をご説明しましょう。
担当者との会話の中から見抜く
会社案内や見積内容の確認、そして見積提出という面会機会の中で、うまく決裁者の情報を引き出したいところです。
例えば、面会終了際に「セクション長か購買部長にも挨拶したい」と申し出てみましょう。
セクション長や購買部に決裁権があるなら、「ウチの会社は購買部が強いから」というような情報が出てくるかもしれません。
業者選定の土俵にキチンと乗っているならば挨拶の機会を与えてくれるはずです。
担当者に直接聞く
フランクに話せる担当者ならば、直接聞いてみるのもよいでしょう。
「業者決定の決め手はどこを重視しますか?」
このようなな遠回りの質問から
「業者選定の決裁はご担当者様でされるのでしょうか?」というように確認していくのです。
ただし、ある程度役職を持った担当者に対しては失礼となる可能性もありますので、状況を見ながら判断していきましょう。
情報を集積する
仮に一度不調となっても営業の仕事は終わりではありません。
次の機会に向けて情報を集積していくことが大切です。
前回セクション長決裁で負けたから、次の見積もり時はセクション長にもっとアピールしよう、と戦略を立てることが受注確率を高めるのです。
そのためには、顧客リストなどで情報を集積しておくことが重要です。
記録をしておかないとキーマンが誰なのかを忘れてしまいますので、媒体を決めて情報を集積していきましょう。
決裁者に応じた攻め方
決裁者に応じて優先することが変わってきます。
お金なのか?安心安全なのか?人間関係なのか?
業者選定には色々な要素が関わります。
決裁者に応じて攻め方を工夫することで攻略していきましょう。
担当者には実務の安心安全
担当者は直接実務に関わります。
当然、原価管理を求められるため金額も重要なのですが、工期納期を守れること、同様の実績や商品があり安心できることを最優先に考えることが多いものです。
そこで、まずは実務の安全安心をプレゼンし、営業主導でリードできるように提案していくことが効果的です。
担当者との密な打ち合わせをすればするほど、受注確率を高めることができるはずですよ。
セクションの長には定期訪問
セクションの長に決裁権がある場合は担当者と内容を打ち合わせの上、セクションの長にも定期訪問や挨拶をしましょう。
金額差が小さい場合、セクションの長の印象に残っている営業が有利になります。
最後にセクションの長からの金額のネゴにのってあげれば、金額で負けていてもひっくり返せます。
逆に、セクションの長に営業できていない場合は金額が1番手であっても、ひっくり返されてしまうかもしれませんよ。
購買部にはお金で勝負
複数社の見積が担当から購買部に回って、最後に購買部が各社に最終金額を問い合わせしていくケースがあります。
担当ベースでは内定していても、購買部からの金額交渉では必ずネゴにのるようにしましょう。
購買部は少しでも安くすることが仕事です。
この金額の相談に全くのらないと印象が悪くなり、ひっくり返されてしまうことがあります。
また、複数社同等で最終ネゴであれば、金額勝負になります。
各社、限界まで詰めてきますので、仕事を取りたいのであればギリギリまでの金額での提示が必要になります。
社長には人間関係
社長とのパイプや人間関係を構築できるかがカギとなります。
どれだけ担当者とよい打ち合わせをしていても、トップダウンの指示には逆らえません。
社長が他社の営業と強い人間関係を構築していたら、なかなか受注獲得は難しくなります。
社長決裁となるのであれば、挨拶や定期訪問から人間関係の構築に時間をかけるようにしましょう。
決裁者とは まとめ
大きく分けて業者選定の決裁を行うのは「担当者」「セクションの長」「購買部」「社長」が考えられます。
担当者だけに営業していても仕事が取れないのは、決裁者に対して営業ができていないことにあるかもしれません。
営業は決裁権者を見抜き、重点的に攻めることが受注確率を高めます。
それぞれの決裁者に合わせた営業を行うようにしましょう。
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