部下のミスに対する上司の叱責。
「やる気がないなら辞めろ!」
「やる気がないなら帰れ!」
これらの言葉は注意ではなく単なるパワハラです。
この言葉を上司をどうして使ってしまうのでしょうか?
もし言われたらどうしたらよいのでしょうか?
考えてみましょう。
「やる気がないなら辞めろ!帰れ!」を使ってしまうとき
「やる気がないなら辞めろ!」
「やる気がないなら帰れ!」
この言葉をどうして上司は使ってしまうのでしょうか?
実際にやる気が感じられないとき
部下の仕事の様子を見て、やる気を感じられないときに上司は叱責することがあります。
- 挨拶がない
- 返事がない
- ダラダラ仕事をしている
- 仕事をサボっている
このように、実際に部下が仕事のやる気がないと感じるときに、注意する言葉として発してしまうのかもしれません。
同じミスを繰り返してるとき
上司の立場で考えると、同じミスを繰り返す部下には辟易することもあるでしょう。
「何度も注意しているのになぜ同じミスを繰り返すのか?」
この問いに対して、やる気がないから同じミスを繰り返すのだと結び付けてしまうのかもしれません。
同じミスを繰り返すことは、確かに部下にも責任はありますがやる気とは関係ありません。
やる気の有無で同じミスが繰り返されるわけではありません。
同じミスが発生する問題の根をはき違えてしまっているといえるでしょう。
指示事項を怠ったとき
指示していたことを部下が怠っていると、思い通りにいかない怒りの感情が芽生えてきます。
怒りの感情が「やる気がないなら辞めろ!帰れ」というパワハラ言葉に繋がります。
感情的に叱責している言葉の先に出てきてしまうのです。
特に指示事項を怠る部下には、言うことを聞かせようという強い感情が重なります。
指示に従わない=やる気がないという上司の論理で、逆にやる気を削ぐ言葉を投げてしまうのでしょう。
「やる気がないなら辞めろ!帰れ」がパワハラの理由
「やる気がないなら辞めろ!」
「やる気がないなら帰れ!」
これらの言葉は何も改善されない言葉で、パワハラといえるでしょう。
その理由を確認していきます。
やる気を引き出すのも上司の仕事
「やる気がないなら辞めろ」
「やる気がないなら帰れ」
上司がこれらの言葉を、やる気を出させるための言葉だと思って使っているのなら大間違いです。
悔しさをバネに頑張ろうとはなりません。
逆に部下のやる気はこの言葉で下がってしまいます。
まず、前提として部下にやる気を出させることも上司の仕事の1つです。
やる気をそぐ言葉を使うという時点で上司失格といえます。
謝る以外できない言葉である
「やる気がないなら辞めろ!帰れ」と言われた部下は謝る以外できません。
謝っているのにもかかわらず、追い打ちをかけるように同じ言葉をかけるケースも見られます。
この言葉は何かを改善させる言葉ではありません。
ミスを修正させる言葉ではありません。
謝らせるためだけの言葉である時点でパワハラといえるでしょう。
部下を咎めたいだけの言葉
上司が部下を咎めたいだけの言葉である点もパワハラといえるでしょう。
思い通りにいかない感情を部下にぶつけているのです。
怒りの感情を発散するということが目的となってしまうと、パワハラになってしまいます。
感情的に怒ったときに相手を傷つけたり、無理やり謝らせたりすることは自分勝手な行動なのです。
>>アンガーマネジメントの方法。イライラと怒りをコントロールしよう!
「やる気がないなら辞めろ!帰れ」と言われたら
上司から「やる気がないなら辞めろ!帰れ!」と言われたら、同様に対応するのがよいでしょうか?
一緒に考えてみましょう。
本当に辞めない、帰らない
実際に辞めてしまう、帰るという行動を取る人もいるかもしれません。
しかし、どれだけ腹が立っても本当に辞めたり、帰ったりするという行動は自分にとっても不利益となります。
当然、上司のパワハラとして問題のある発言ですが、辞めてしまえば収入はなくなりますし、転職活動が必要になります。
そのまま帰るという選択をとっても、次に出勤以降上司との関係に大きな溝ができるでしょう。
相手が感情的になっても、自分自身は冷静に立ち回るほうが損得で考えるとよいはずです。
謝ってやり過ごす
やる気はあるのにミスをしてしまうことはあります。
それを咎められ心無い言葉をぶつけられているのですから、納得いかないかもしれません。
それでも、冷静に対応できればあなたの勝ちです。
適当にでも謝ってやり過ごすことが最善といえるかもしれません。
感情的に怒っている上司は自分の感情で叱責しています。
本当に見返すために今はやり過ごすこと対応が得策といえそうです。
残念な上司と考える
部下を咎めるだけで、ミスの起きない仕組み作りができない残念な上司と考えてみましょう。
実際にやる気を出させることも、ミスの起きない仕組み作りをすることも上司の仕事です。
まさに、自分の仕事ができていないことを棚上げにして感情をぶつけてきているのです。
>>ヒューマンエラーはシステムエラー。部下の失敗を責める上司へのブーメラン
残念な上司と考えることで冷静になれるということもあるはずです。
自分のミスは反省した上で、上司の態度に対してもドライに考えてみるのもよいでしょう。
戦うなら言質を取る
あまりにも理不尽で納得がいかないのなら、会社を巻き込んで戦うことも選択肢の一つです。
言質を取るために録音したり、同僚に証人になってもらい会社に訴えるという手段にでるのです。
ただし、この行動の先にもあまりよい未来は待っていません。
会社が対応してくれないかもしれないし、会社に残りにくくなります。
仮に、うまくいってパワハラ上司が離れることになっても、そこまでにかかる労力もかかるはずです。
別の上司にパワハラ上司のことを相談して、味方になってもらうように働きかけるくらいがよいかもしれません。
まとめ「やる気がないなら辞めろ!帰れ!」はパワハラ
「やる気がないなら辞めろ!」
「やる気がないなら帰れ!」
これらの言葉は、部下のやる気を引き出す言葉ではありません。
部下にとっては謝る以外できない言葉であり、部下を咎めたいだけの言葉でパワハラです。
もし、実際に上司から言われたときには下記の対策で乗り切りましょう。
- 本当に辞めない・帰らない
- 謝ってやり過ごす
- 残念な上司と考える
- 戦うなら言質を取る
ただ、言われた本人も腹が立つからといって感情的にならないほうが得策です。
ミスしてしまう仕組みを改善できない残念な上司と考えてやり過ごし、仕事で見返ししまうのがよいかもしれませんね。
思い切って転職の選択もアリかもしれませんね。