建設業界における出来高請求の仕組みを解説!出来高調書のサンプル様式付き

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建設業界

建設業界では「出来高請求」という慣習が続いています。

毎月顧客の締め日に合わせて、1か月稼働分の請求を計上する仕組みです。

 

稼働した月ごとに計上する出来高請求ですが、数字がわからなくなり時間がかかりがちです。

そこで、出来高調書のサンプル様式と作り方を紹介します。

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建設業界における出来高請求とは

まずは出来高請求の仕組みから理解していきましょう。

出来高請求は建設業界独自の仕組みといえるかもしれません。

出来高請求とは

「出来高請求」とはゼネコンなどの元請業者に対して、協力会社(下請業者)が完了前に1カ月間で稼働した出来形を清算することをいいます。

 

 

建築工事も土木工事もある程度の規模の工事となると、数カ月以上完成までに工期が必要となります。

元請業者が完成まで工事費用が清算できないとしたとき、協力会社まで稼働した費用を清算できないとなると資金繰りに困ってしまいます。

 

そこで、協力会社を救済するため1か月分の稼働費用を、毎月締め日までに集計して清算を認めているのです。

労務は毎月出来高請求したい

協力会社(下請業者)は中小企業であることも多いものです。

労務費(人件費)については一定のサイクルで回していく必要があります。

  

ゼネコンに請求をしても入金されるのは1か月以上かかります。

毎月従業員には給料として固定費がかかっているのですから、労務費については早く回収して支払いのサイクルに充てなければ経営できません。

 

そこで労務費については可能な限り現金で、稼働した分は出来高請求として計上して早く回転させることが求められるのです。

出来高内訳書(調書)サンプル

出来高請求用の内訳書(調書)サンプルをご紹介します。

必要な方はダウンロードして使用してください。

出来高内訳書(調書)ダウンロード可

エクセルシートのサンプルです。

計算式も入っているので、必要な方は下記よりダウンロードしてみてくださいね。

横型と縦型がシートで分かれています。

 

 

出来高内訳書の見方(項目)

出来高内訳書の項目について説明しましょう。

出来高内訳書の見方
  • 名称・・・・・・・品名や見積項目
  • 取決数量・・・・・設計に対する取決数量
  • 単位・・・・・・・回やmなど
  • 単価・・・・・・・1単位当たりの単価
  • 取決金額・・・・・取決数量×単価
  • 前回迄出来高数量・前月迄の累計数量
  • 前回迄出来高金額・前月迄出来高数量×単価
  • 当月出来高数量・・当月稼働した数量
  • 当月出来高金額・・当月出来高数量×単価
  • 残金・・取決金額-前月迄金額-当月金額

月ごとの清算をするためには、取り決め金額に対してこれまで計上してきた出来高と、当月分の出来高、そして残金を把握する必要があります。

 

毎月少しずつ出来高請求するような現場では、このような出来高内訳書を作成しないとどこまで請求したか分からなくなってしまいます。

 

過剰請求、過小請求といったミスを起こさないためにも、出来高を管理する書類は必須の様式といえるでしょう。

出来高内訳書(明細書)の作り方

出来高請求の作り方について例をあげて解説していきます。

測量を例として作り方をご紹介します。

単価などはあくまでもサンプルです。

出来高請求1回目(初回)

上記のような項目で取決めしていたとしましょう。

この場合の出来高請求をしてみます。

 

まずは初回請求です。

初回の前月迄出来高は0となります。

初回稼働で2,000mの測量に対し、500m分稼働し計算作図3名とした場合の参考出来高です。

顧客にメールなどで確認を取り、当月分の清算を行います。

 

第2回出来高請求

次に第2回目請求です。

第2回請求時点で前月の出来高フォームを転用する場合、当月出来高数量は前月出来高数量となります。

そのため、まず最初に前月請求数量に当月出来高数量を移動させます。

 

前月出来高数量に数字の移動ができたら、当月出来高数量を入れていきます。

当月稼働した分の出来高数量を計上していきます。

当月の出来高金額は¥616,000となり、顧客に確認を取ってから請求書を作成します。

 

出来高請求3回目(完了清算)

出来高清算3回目、完了清算をする場合を確認していきましょう。

初回同様、当月出来高数量を前月迄出来高数量に移動させます。

このとき、前月迄出来高数量は請求済の累計数量にすることが大切です。

 

次に当月完了清算分を計上します。

 

報告書も納品して完了清算としました。

残金も0となり、取決め通りの清算となります。

 

今回は報告書作成費や諸経費については出来高として計上しませんでしたが、報告書作成費や諸経費の項目も実行した比率(%)で相談の上計上してもよいでしょう。

 

また、数量の増減があった場合は契約変更となることもあります。

数量については顧客と清算後もしっかりと確認しておきたいこところです。

 

出来高請求の注意点

出来高請求を行うときの注意点も確認しておきましょう。

お金に関わるところなので気を付けるべきポイントがあります。

 

顧客の締め日前に相談する

出来高請求は稼働しているからといって、いきなり請求書として送り付けることはしないほうが得策といえます。

 

事前に顧客の締め日前にメールなどで数量確認を行い、双方で合意してから請求書の原本を用意したほうがよいでしょう。

 

顧客側で考えていた数量と異なっている可能性もあります。

請求の頻度が増える分、事前の確認は重要になりますね。

数量は間違えないよう確認する

お金に直接的に関わりますので、数量は間違いのないようよく確認することが大切です。

 

エクセルで作る以上、計算式やセルが壊れていることも考えられます。

特に合計金額の集計値はよく確認するようにしましょう。

 

また、毎月当月出来高を前月迄出来高に移動させるときに、入力ミスが起こる可能性があります。

累計金額や残金は前月と相違がないか確認するとよいですね。

数量変更や追加項目は要協議

出来高を計上していくと、当初予定よりも数量増や減が起こりうるのが建設業界です。

取決め通りにいかないこともありますし、取決め外の項目が追加されることも想定されます。

 

数量変更を適当に管理していると、損したりトラブルになったりすることがあります。

出来高請求における数量や追加項目は、その都度相談し双方合意の上で清算していきましょう。

建設業界における出来高請求 まとめ

建設業界では出来高請求の慣習は強く根付いています。

工事に関連する業種の会社は、工期の長い工事における定期的な回収は今後も必須です。

 

  • 顧客の締め日前に相談する
  • 数量は間違えないよう確認する
  • 数量変更や追加項目は要協議

 

出来高請求を行うときには、お金に直結しますのでこれらの点に注意しながら清算をおこないましょう。

 

 

出来高清算が必要であれば、ダウンロードして使ってみてくださいね。

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