「オンライン営業」という言葉が使われるようになってきましたね。
これまでは対面営業が当たり前でしたが、オンラインツールを用いた営業もスタンダードになってきています。
しかし、オンライン営業だけだはなかなかうまくいかないのも現実です。
そこでオンライン営業とは何か、なぜオンライン営業は定着しないのかについて考えてみましょう。
オンライン業とは?
オンライン営業とは、オンラインツール(Zoom・Webex・Teams)などを用いて、直接対面しないで営業することです。
オンラインツールを使えば、顔は見えますし声も聞こえます。
周りに人がいない状況であれば、マスクをしていなくても大丈夫です。
オンライン上での名刺交換も可能になっていますね。
オンラインツールの進化と共に、新しい営業手法として注目を集めています。
メリットも非常に多いので、営業の場では当たり前のように使われるようになってきています。
オンライン営業より対面営業?
オンライン営業と対面営業ではどう違うのでしょうか?
まだまだ対面営業が強い部分を解説します。
顧客は対面営業を求める
顧客側から打ち合わせに来て欲しいと言われれば、営業はニーズに応えなければなりません。
そこでオンラインツールを提案しても、顧客側が面倒だと感じているという実情があります。
顧客に営業は合わせないといけませんからね。
会社内ではオンラインツールを使いにくいお客さんもいます。
対面営業を求めるお客さんも多いのが実情です。
書類の受け渡しが必要
契約書、見積書、報告書他紙媒体の書類。
徐々に電子化が進んではいます。
しかしながら、日本の紙文化や印鑑文化はまだまだ中心にあります。
官公庁が変わらない限り民間も変われません。
官公庁の紙文化はまだまだ続いており、工事や委託業務においては書類提出を求められます。
>>ペーパーレス化の障害とコツ。リモートワークだからこそ推進しよう
対面営業の方が成約率が高い
オンラインツールを使ったり、電話中心の時期がありました。
しかし、営業マン目線で考えると対面営業をした方が成約率を高めることができる実感を感じていることでしょう。
実際にオンラインツールや電話だけだと、打ち合わせしにくいケースがあることも実感したはずです。
顧客が面会を許可してくれるのであれば、成約率を高めるために訪問したいと考えます。
商品ではなく、自分を売るには対面営業の方が有利であることを、営業マン自身も知っているのです。
オンライン営業が定着しない理由5つ
オンライン営業が新しい営業手法として定着していくかと思いきや、現実にはなかなかオンライン営業は定着していません。
なぜオンライン営業は定着しないのか考えてみましょう。
顔が見たいわけではない
Zoomなどのオンラインツールを使って打ち合わせは可能です。
しかし、顧客側も営業マンの顔を見たいわけではありません。
スムーズに打ち合わせがしたいのです。
電話のやり取りでは打ち合わせしにくい内容を直接対面で打ち合わせしたいのです。
オンラインツールではスムーズにいかない部分があることは、試した人ならわかることでしょう。
新規営業は困難
一度も面会したことのない顧客と対面せずに仕事をすることはなかなか困難です。
特に新規営業においては、顔もメールアドレスもわからない初めての相手に対して、オンラインツールを使うというのはハードルが高いといえます。
電話営業で担当を捕またとしても、どんな会社かもわからないのにメールアドレスを教えるのは面倒なものです。
突然電話してきた相手にオンライン営業スタートは難しいのです。
なくならない紙文化
紙文化、印鑑文化は徐々に電子化に向けて動いています。
民間同士であれば既に電子印鑑も流通し始めています。
GMOインターネットグループはいち早く電子印に参入し話題になりましたね。
GMOインターネットグループの印鑑廃止宣言を皮切りに、徐々に官公庁も動き出しています。
それでもなお、官公庁が紙文化や印鑑文化を解消しない限り、直接訪問の機会は減らせません。
オンライン営業の障壁はなくならない紙文化や印鑑文化に一端もあるのです。
>>印鑑(ハンコ)終了の流れになるか?テレワークで進む印鑑の電子化
人対人の温度
対面営業はマスクをしていても会話には温度があります。
コミュニ―ションの間・表情・声など、どうしてもオンラインではつかめない部分が間違いなく存在します。
対面営業の方が成約率も高いのは、人対人であるところにもあります。
オンライン営業で面会していない会社よりも、対面で直接顔を合わせた営業マンの方が情も移りやすいものなのです。
わざわざ来てくれたという繋がりがあるため、結局オンライン営業は定着しないのではないでしょうか。
人がモノを選ぶのではなく、人(営業マン)を選んでいる側面もありますからね。
対面営業の強さがオンライン営業の定着しない理由につながっています。
オンラインツールの使い勝手が悪い
オンラインツールとして、Zoom・Skypeといった無料ツールを使って行うことはできます。
しかし、自分が使い方をマスターしていても、顧客側も慣れていないと無駄な時間を消費します。
中にはうまく使えずイライラしてくる人もいるはずです。
また、アプリのダウンロードやメールなど少しの手間が積み重なります。
顧客側からの提案であれば、オンラインツールは便利です。
しかし、営業マンから提案するのは無料ツールの場合、使い勝手の悪さが課題となります。
有料オンラインツールは会社が動かないとうまくいきませんので、費用をかけるかは経営陣の判断もあるでしょう。
コロナでも対面営業に戻る まとめ
対面営業からオンライン営業への流れとなるかと思われましたが、実際には対面営業に戻っているのが現実です。
当然、一部オンライン営業でうまく立ち回っている営業もいることでしょう。
ただ、顧客が求める限りオンライン化にすべて舵を切ることは難しいといえます。
- 顔が見たいわけではない
- 新規営業は困難
- なくならない紙文化
- 人対人の温度
- オンラインツールの使い勝手
これらの課題がクリアになってこないと、対面営業に戻ることになりそうです。
それでも世界はすごいスピードで変化していますので、柔軟な対応をしていくことが必要といえるでしょう。