営業の引継ぎ(引き継ぎ)は意外にも頻繁に行われます。
この引継ぎがうまくいかないと、顧客が離れていくきっかけになってしまいます。
営業の引継ぎがスムーズにいくよう、前任者と後任者には必ずやるべきことがあります。
正しい営業の引継ぎ方について考えていきましょう。
営業の引継ぎが必要なとき
営業の引継ぎが必要になるときにはいくつかのケースがあります。
それぞれのケースごとに確認していきましょう。
前任者の異動
営業の引継ぎは前任者の異動のときに行われます。
異動は転勤や転属などの場合を指し、どの会社でも頻繁に行われています。
当然異動すれば物理的に今まで行っていた業務は、後任者に引き継がねばねりません。
異動の通達に引継ぎ期間の猶予があまりない場合もあります。
ただし、同じ会社には属しているという状況です。
まだ連絡を取り合えるという状況にありますから、引継ぎについては多少気負いの必要が少ないといえるでしょう。
前任者の退職
前任者の退職が決まれば、全業務を引き継ぎしなければなりません。
多くの会社で引継ぎ期間を含め、退職届けの受理から1か月程度引継ぎ期間を設けていることでしょう。
人員体制の整っていない会社ではこの退職に伴う引継ぎに苦労します。
すべての仕事を1人に引き継ぐことができなければ、後任者を分散させたり、人員の補充をしたりしなければなりません。
また、今後退職者と連絡を取ることができなくなりますので、短い引継ぎ期間で細かい引継ぎをする必要があるのです。
役割の変更
引継ぎは役割変更に伴う場合にも行われます。
例えば、管理職が営業実務はある程度委譲し、管理中心に役割変更していれば営業実務はある程度引き継ぐことになります。
その管理職宛てにくる顧客からの引き合い実務は後任者が引継ぐことになります。
同じ社内にいますから、確認しながら業務を進めていけば大丈夫です。
営業の引継ぎ方(前任者がすべきこと)
営業の引継ぎに関して、前任者がすべきことを整理していきましょう。
前任者しか知り得ない情報があるはずですので非常に大事なことです。
顧客のリスト化
異動や退職による引継ぎの場合は、担当していた顧客や実務すべてを引継ぎしなければなりません。
当然口頭のみで打ち合わせしても覚えていられませんので、引継ぎ事項をデータとして残しておくことが大切です。
そこで、まず最初に作成すべきは顧客のリスト化です。
担当していた顧客を全社、全担当者が把握できるようにしたいところです。
退職の際には名刺も会社側で回収しておきましょう。
残務と共有事項を整理
営業を引継ぐときに最も重要なことは残務と共有事項の整理です。
すべて完了した状態で引継げるということはなかなかありえません。
何かしら残務は残っているし、今後やらなければいけないこともあるはずです。
それらの残務や今後の仕事も含めて、引継ぎは行わなければなりません。
顧客リスト同様、残務と共有すべきことをリスト化して整理することが大切です。
異動や退職した後に問い合わせされるのはする側もされる側もあまりしたくないことですので、きれいに引継ぎできるように整理しましょう。
後任者との打ち合わせ
顧客リストや残務リストを確認しながら、後任者と打ち合わせをしましょう。
顧客の割り振りについては管理職を含めて行い、個別に後任者と打ち合わせが必要です。
この営業の引継ぎの打ち合わせが非常に重要になります。
引継ぎがうまくいかないと顧客に迷惑がかかるだけでなく、顧客が離れるきっかけとなってしまうこともあります。
営業は会社の顔です。
会社の顔が変わるときは前任者と比較されたり、離れやすくなったりするのです。
顧客への周知
営業の社内引継ぎを終えたら、顧客への周知をする必要があります。
- 直接訪問して引継ぎ挨拶
- 電話での引継ぎ挨拶
- メールでの引継ぎ挨拶
これらの手段で顧客への周知をしなければなりません。
顧客への周知は前任者が行うべきです。
いきなり後任から「担当が変わりました」という連絡では、失礼に当たる可能性がありますので漏れがないように注意しましょう。
営業の引継ぎ方(後任者がすべきこと)
次に営業の引継ぎ方に関して、後任者がすべきことを考えていきましょう。
後任者の引継ぎ方が今後の顧客との関係に大きく関わってきます。
前任者と一緒に挨拶訪問
重要な顧客に対しては、前任者と一緒の挨拶訪問に行きましょう。
直接2人で訪問することで顧客は安心するはずです。
また、顧客もわざわざ挨拶に来てくれるということは、大事にしている会社だと認識します。
重要な顧客ほど直接引継ぎの挨拶に行きましょう。
直接挨拶する際には前任者から後任者を紹介し、後任者の実績や人柄を紹介することをおすすめします。
顧客は不安に営業が代わることに不安を感じています。
不安を取り除く工夫が営業の引継ぎの際には求められます。
後任者として連絡
全て客先に挨拶訪問することは物理的に難しいかもしれません。
前任者が電話やメールで周知しておいた顧客に対して、後任者として連絡をしていきましょう。
それは顧客の重要度に応じて電話やメールなどで行います。
必要に応じては直接挨拶訪問してください。
前任者の残務が残っている顧客については、なるべく面会したほうがよいといえるでしょう。
前任者に連絡がいかないようにする
営業の引継ぎをしたあと、後任者が徹底しなければならないのは前任者に連絡がいかないようにすることです。
「引継ぎの内容が把握できていない」
「前任者に比べ対応が悪い」
「担当を代えてほしい」
これらの苦情は引継ぎが悪いと起こりがちです。
後任者にとって、前任者へ連絡がいくことや顧客が離れていくことは最も恥ずかしいことであると認識しておきましょう。
後任者にとって、引き継いだ顧客というのはなかなか愛着を持てない部分もあるかもしれません。
しかし、営業を引継いだ顧客こそ守らなければならない顧客なのです。
営業の引継ぎ まとめ
営業の引継ぎは前任者と後任者、それぞれが行うべきことがあります。
この引継ぎの際の連携がうまくいかないと、顧客からのクレームや離れていく原因となります。
営業の引継ぎの重要性を再認識して、さらに顧客との関係を深める引継ぎをしていけるようにしましょう。
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