自分の部下がそのまた部下にパワハラをしている状況を確認したとき、どのようにそのパワハラをやめさせればよいでしょう?
色々な対策と指導を行った結果、部下のパワハラをやめさせることができました。
その指導法と対策を紹介します。
⇩まずはこちらから!部下のパワハラに本気で取り組む!
部下のパワハラの様子
上司の立場で部下に対しパワハラ的な態度が目立っていた係長。
特にミスの多い1名が暴力的に怒られることが多い状態となっていました。
その様子とはどのようなものだった確認していきます。
感情的に怒る
デキない社員に対して、怒りの感情を露わにして怒っていました。
ミスを諭すのではなく、思い通りにいかない部下に自分の感情をぶつけている状態です。
感情的に怒っているので、怒られている部下は委縮してしまいます。
説明したい事情も聞ける状態ではないほど感情的になってり、上司からしても口を挟みにくいほどでした。
止めようとする上司にまで感情をぶつけてくることもあったのです。
叱責ではなく罵声
問題を改善させる言葉ではなく、ただキツくいう罵声が目立ちました。
- 「やる気ないなら帰れよ」
- 「てめぇ何回同じミスしてんだよ」
- 「ミスした理由を説明しろ」
- 「お前新人以下だからな」
- 「お前の評価は最低だからな」
こんな言葉を受けて部下のミスが改善するわけではありません。
周りが聞いても嫌な気持ちになる状態です。
>>パワハラ上司「やる気がないなら辞めろ!帰れ!」と言われたらどうするか?
暴力的な態度
言葉の暴力だけではなく、不備のある書類を突き返すときに机に叩きつけたり、投げ返すような態度も見られました。
直接的な暴力は見られませんでしたが、どんどんエスカレートしていく状態です。
体も大きく喧嘩も強いと自負していたこともあり、周囲の部下たちは暴力的な態度に怯える状態になっていました。
⇩部下としても感情的な上司をスルーする技術をを身に付けておきましょう。
部下のパワハラ対策
ミスの多い社員の指導係を担当していたパワハラ係長。
ミスばかりする部下にイライラしていました。
この役回りを見直すことがパワハラを辞めさせる対策だと考えて実行しました。
席替えをする
ミスの多い部下とパワハラ係長が横並びの席となっていましたが、席替えをすることにしました。
席が近いことでミスの指摘をしやすい環境を減らすのです。
物理的な距離を置くことで声をかけることもしにくくなります。
普段の会話からエスカレートしていくこともありましたので、物理的な距離を取ることは有効です。
指導係を外す
任せていた部下の指導係や書類チェックの仕事を外しました。
係長という立場は一般社員の育成や指導を行う立場です。
しかし、パワハラを受けてきた一般社員たちは全く慕っていない状況になっていました。
そこで指導係や書類チェックの指導係を外すことで、ここでも直接的な接触を減らすことにしました。
自分が注意する役回りをする
特にミスの多い一般社員とパワハラ係長の関係を遠ざけるため、指導は課長である自分自身が直接行うことにしました。
ミスの多い社員は実際に報連相に乏しく、指示事項も守らないズボラ社員です。
一般社員の問題も大きいのですが、人間性まで否定するパワハラがあってはいけません。
ミスの多い社員を課長自らが是正するということが2人を遠ざける理由となるので、プライドを傷つけずに遠ざけることに成功しました。
部下のパワハラへの指導
部下のパワハラに対して直接的な自覚もさせなければなりません。
部下のパワハラへの指導も行いました。
遠回しに自覚させる
物理的な距離を引き離し、指導係を外されたことで遠回しに自覚したはずです。
役割を外されたということは、上司の期待に沿えなかった・評価が下げられているということです。
ここを自覚させることで、過去の言動や行動の問題を気づかせることができたといえます。
直接的に注意する
パワハラといえるような罵声や暴力的な言動が見られたときは、すぐに引き離すようにしました。
横から注意に参加して「自らが一般社員に注意するから、もうそれ以上注意しなくてよい」と物理的に注意をやめさせます。
そして、ただ咎めるのではなく、現状の問題の解消と今後同じ問題が起こらなくなる仕組み作りをするよう注意しました
間に人を入れて話をする
直属の上司と部下の関係とは言え、直接的に2人で話をする状態というのは感情的にエキサイトしてくる可能性もあります。
オブザーバーとして、間に人を入れて話をしたほうが冷静に話はできるものです。
今後の役割については話し合いの場を設けました。
さらに上長である支店長を交えて、話の場を設けることで今後の役割と過去の言動を認識させました。
部下のパワハラをやめさせたあとの状況
役割を変えて気づかせることで、部下のパワハラをやめさせました。
その後の状況はどうなったか確認してみましょう。
パワハラする相手がいなければしない
部下のパワハラも別にうっぷん晴らしにしたいというわけではありません。
ミスの多い社員が思い通りに直らないから、イライラしてきてしまうのでしょう。
パワハラする相手がいなければ、当然パワハラは起こりません。
物理的な距離が離れ、指導する役割がなくなればパワハラといえるような言動はみられなくなります。
自身が指導係ではないということもストップをかけています。
物理的な距離と役割変更は有効な指導と対策であったといえます。
役割を外されたことには不満げ
パワハラをしていたとはいえ、役割を外されたということは自身の指導や役割が認められなかったのだと自覚したはずです。
評価が下がっていることを自覚すれば、当然いい気はしません。
自分自身ではできていると思っていたことが、上司からは否定されるわけですから不満げな態度をとるようになっています。
しかし、そこはシビアな世界があって、自分を評価するのは自分ではなく、会社であり上司であるという自覚がなければ出世はできません。
パワハラをやめさせた!まとめ
部下のパワハラをやめさせることに成功しました。
それには物理的な距離を取ることと、部下の育成をする立場から外すことで解決できました。
これにより物理的なパワハラは減りましたが、評価が下がったことでモチベーションも落としている状態になっています。
部下の育成ができない人材ということは、これ以上のキャリア形成も困難であるということです。
しかし、これを自覚しない限りパワハラは繰り返されます。
自覚した上で修正できないのであればそこまでであるということは、厳しいようですが仕方ありません。
今後の経過も合わせて報告していきたいと思います。
⇩管理職目線で見る、信頼できる部下とは?
⇩指示に従わない部下のトリセツ
⇩アンガーマネジメントの方法とは?