東京都主催の若チャレ(若者正社員チャレンジ事業)って知ってますか?
若チャレは未来のある若者と中小企業を結ぶ新しい就職の形です。
過去数年、中小企業の採用担当者として若者正社員チャレンジ事業を活用してきました。
若チャレを実際に利用してきた感想とメリット・デメリットを採用担当者目線で解説します。
若チャレ(若者正社員チャレンジ事業)の概要
若者正社員チャレンジ事業とは一体どんな事業かを紹介します。
「若チャレ」「若者チャレンジ」とも呼ばれる東京都のプロジェクトです。
簡単に説明すると、若チャレは東京都が全面的にバックアップして、第二新卒の若者と中小企業をマッチングする仕組みです。
約1週間~1か月間、若者が職場実習生(インターン)として実際に働いてみて、双方の合意が生まれた場合に入社できます。
双方にメリットいっぱいの若者正社員チャレンジ事業の概要を詳しく解説します。
若者正社員チャレンジ事業(https://wakamono.tokyo/)
若チャレで簡単に正社員になれる
- 正社員としての経験がない・または乏しい第二新卒。
- 若い社員を入社させて育てたいが、採用活動に費用がかけられない中小企業。
この働きたい第二新卒と若い社員を採用したい中小企業のマッチングが、「若チャレ」です。
簡単に若チャレのプロジェクト内容を説明します。
- 参加費は無料
- 東京都が全面バックアップする就労支援事業
- 約1カ月間実習生として企業で働いてみる
- 働いてみてから就職を判断できる
- キャリア習得奨励金として最大10万円支給
- 300人以下の中小企業が対象
- 受入企業も採用時に奨励金支給
- 受入企業は採用し育成するスタンス
このように実習生と受入企業双方にメリットが多いのが特徴です。
若チャレのポイントは実際に働いてみて、双方が合意したときに就職できる仕組みです。
入社後のミスマッチを減らすことができますよ。
若チャレ実習生の参加条件
実習生希望者には参加条件があり、下記のとおりです。
- 29 歳以下の求職者
- 学生不可
- 就職・就業経験がない方
- 非正規での就業経験のみの方
- 直近2年以内の正社員としての職歴が1年未満の方
このように参加条件をみてもわかる通り、社会人経験のない人材がターゲットになっています。
どんな理由で社会人経験に乏しいのかは問いません。
若チャレはフリーター・ニート・派遣などで社会経験が少ない人にこそ、ぴったりな就職方法です。
経歴にブランクがあり過ぎて心配
正社員として働くイメージが湧かない
どんな会社で働くことが向いているんだろう
自己PRできる経験なんてない
このような不安を抱えていても大丈夫です。
みんなが同じように不安を抱えながら、若チャレから正社員として就職しています。
若チャレは気軽にチャレンジできるプロジェクトといえるでしょう。
若チャレは東京都のお墨付きでサポートがすごい
若チャレは東京都が第二新卒で就職に悩む人材をサポートする事業です。
それと同時に、採用活動に費用をかけられない中小企業をサポートする側面もあります。
東京都が全面的なバックアップをしているため、非常にサポートが充実しているのでご紹介しましょう。
- 最大20日間の職場体験でスムーズに入社
- 受入企業は第二新卒に理解がある企業のみ
- 実習期間の就労分は最大10万円支給
- 専任のカウンセラーがついてサポート
- 合同企業説明会で実習先を選べる
これら5つが若チャレの目玉といえます。
専任のカウンセラーもついてしっかりとサポートしてくれるので安心ですね。
若チャレの感想とメリット・デメリット(受入企業側)
若チャレを受入企業として利用してみた感想をお伝えします。
実際に複数名採用にいたり、今もなお正社員として活躍しています。
企業側の若チャレ参加条件とと合わせて、メリット・デメリットも確認してみましょう。
若チャレ受入企業の参加条件
若チャレ受入企業には参加条件が設定されており、以下の通りです。
- 都内に活動拠点(本社又は営業所)があること
- 常時使用する従業員の数が300人以下であること
- 若年求職者を正社員として採用する意思があること
東京都の事業ですから、実習生を受入れる場所は東京都であることに限定されます。
常時使用する従業員の数が300人以下であるという条件は、中小企業を支援する目的から設定されているんですね。
新卒採用に費用をかけられる大企業に対し、採用活動にあまり費用がかけられない中小企業が対象です。
「若年求職者を正社員として採用する意思」ここはポイントで、若チャレ受入企業も審査があります。
20日間実習生に仕事をさせて採用しない。
これを悪用すれば支援金をもらえる上、無償で労働力を手に入れることができるからです。
採用や受入に非協力的な会社は、対象外となることもあるのが若チャレなのです。
若チャレを利用してみた感想(企業担当者)
若チャレを利用してみた率直な感想は、中小企業には最適な採用活動であるということです。
- 新卒採用にかける予算や時間がとれない
- 中途採用では若い人の募集が少ない。
- 採用活動の稟議がなかなか通らない
- 採用してもなかなか定着しない
このような悩みを若チャレは解決してくれます。
会社にも採用活動への費用が発生しないので、稟議の必要がありません(寧ろ支援金が支給されます)
実際に入社した社員の多くが今も現役で活躍しています。
実習生として働いた経験と入社した後のミスマッチが大幅に減らせていることが実感できています。
受入企業のデメリット
実習生の受入経験がなければ、なかなかデメリットは確認できないですよね。
実際に受入れた側の経験からくるデメリットをご紹介します。
- 実習生の全体量が少ない
- 受入れの難しい実習生も多い
- 実習プログラムを策定する
- 実習生の面倒を見なければならない
- 毎日の実習日報をつける
- いくつかの禁句がある
実習生自体の全体量は少ないので、受入を希望しても年間通して一人も応募者がいない場合があります。
企業説明会の場で自社のアピールをしっかりとしないと、実習のマッチングが成立しない可能性もあります。
この企業説明会(2020年度はリモート面談)は定期的に行われるのですが、受入が難しいと感じる実習生も少なくありません。
受入後の採用も視野に入れた企業説明会にすることが大切ですね。
実習生を受け入れ後の実習プログラムや日報などの手間もかかります。
労働力としてではなく、インターンとして受け入れているので専属で面倒を見なければなりません。
そして受入れに当たっていくつかのタブーがあります。
- 過去(なぜ就職しなかったかなど)の詮索
- 入社意思の確認
大学卒業後の空白期間や入社希望するかなど、確認したいことも聞いてはいけないルールとなっています。
受入企業のメリット
受入企業側のメリットを紹介しましょう。
デメリットを踏まえても大きなメリットがあります。
- お金をもらったうえで採用活動できる
- 若い人材を採用することができる
- 実習期間で採用を見極められる
- 担当アドバイザーが間に入る
通常広告媒体に費用を払って採用活動しなければなりません。
しかし、若チャレは逆に受入れることで東京都から給付金を支給されます。
受入れ準備金として1日6,000円、6か月連続雇用で採用奨励金として10万円支給されます。
また、実習生は29歳までの若い人材に限定されます。
ゼロから育成すれば伸びしろのある人材を確保できるのは企業にとってメリットがありますよね。
そして、20日間実習した上で採用可否を判断できるのは嬉しいポイントです。
育成が難しいと判断すれば採用を断ることは可能です。
これにより、採用後のミスマッチを大きく低減することが可能となりますので、離職率は大きく下がります。
そして担当アドバイザーが定期訪問し、実習生と面談を行います。
間に入ってサポートしてもらえますので、採用確率がグンと上がるのはメリットといえるでしょう。
実習生側から見る若チャレのメリット・デメリット
若チャレにおいて、実習生側のメリット・デメリットはどんなところがあるのでしょうか?
採用して今も活躍している元実習生の意見も確認してみましたのでご紹介します。
実習生のデメリット
実習生のデメリットを紹介します。
- 入社できるのは中小企業しかない
- 受入企業の選択肢が少ない
- 実習生として実際の労働を行う
- 実習日報や面談など手間がある
若チャレに参加したら、実習先はもれなく中小企業であることは理解しておかなければなりません。
従業員数300人以下の縛りがありますから、大企業への就職というわけにはいかないのが現実です。
受入企業の選択肢もそう多くはありません。
希望の職種通りにいくとは限らないことは理解しておきましょう。
また、実習生として実際の労働を行います。
実習生だからただ見ているだけというわけではなく、実際に労働しますので受入企業の迷惑や損失を発生させないよう気を付けましょう。
これは大きな手間ではありませんが、実習生という立場上実習日報や面談などが発生します。
東京都に提出することになるため、書類が多いのが特徴的です。
実習生のメリット
実習生のメリットを紹介します。
このメリットが若チャレ最大の目玉です。
- 働いてから入社を選択できる
- 第二新卒に理解がある企業に就職できる
- 1日5,000円最大10万円支給
- 専任のカウンセラーが間に入ってくれる
- 合同説明会で実習先は選べる
ここは詳しく解説します。
働いてから入社を選択できる
なんといっても、職業体験をしてから入社できるのは大きなメリットのある仕組みです。
入社してみてこんなはずじゃなかった、人間関係や雰囲気が合わないというミスマッチを防ぐことができます。
普通の就職活動では入社してからでしかわからないことが、入社前にわかることは最大のメリットですね。
入社した社員の定着率が非常に高いのは、実習体験があったからといっても過言ではありません。
第二新卒に理解がある企業に就職できる
若チャレ受入企業は第二新卒(ニート・フリーター・無職など)という過去を理解した上で、受入を希望しています。
ですから、過去の詮索や仕事をできるできないで採用判断はしないんですね。
人柄や頑張りを見て採用判断をします。
しっかりとゼロから育成するつもりで採用するつもりの企業ばかりなのは、安心できるポイントといえるでしょう。
1日5,000円、最大10万円支給
実習といっても実際の労働をおこないますので、無償では厳しいですよね。
そのため、労働の対価として1日5,000円、最大10万円まで実習体験で支給されます。
就職できて、ミスマッチが防げて、お金がもらえる。
これが若チャレの大きなメリットといえるでしょう。
専任のカウンセラーが間に入ってくれる
専任のカウンセラーが間に入ってくれるのも嬉しいポイントです。
もちろんアドバイスもくれますし、サポートしてくれます。
就職を断る際もカウンセラー経由で行いますので心配ありません。
不安な就職活動について何でも相談できるのはメリットですね。
企業説明会で実習先は選べる
実習先は企業説明会で選択できます。
希望の職種を選択し、専任カウンセラーと相談して自分に合った実習先を選択しましょう。
実習先は100社以上。
- IT・インターネット関連会社
- 人材サービス会社
- 映像機器・設備会社
- 設備工事・メンテナンス会社
- 編集・広告制作会社
- 貿易・物流関連会社
業界・業種・職種などさまざまですが、意欲と理解のある企業の中から選択できますよ。
若チャレ正社員までの流れ
若チャレで応募から正社員となるまでの流れを紹介しましょう。
1.参加申し込み
⇩ まずはサイトの事業説明&相談会予約
2.事前カウンセリング&事前セミナー
⇩ 悩みや問題を共有し、働く心構えと準備
3.合同企業説明会
⇩ 興味ある企業の担当者と詳しい話などを聞く
4.実習先の決定
⇩ 仕事内容や社風を見て、自分に合いそうな企業を選ぶ
5.企業内実習(約20日間)
⇩ 実際に正社員として働くことを想定した実習開始
6.応募・面接・採用へ
⇩ 「この企業で働きたい!」と感じられたら、応募、面接、採用へ。
7.定着支援6か月
全体の流れはこんな形です。
応募時点では実習生と受入企業の意向を確認しておきます。
ですから、大きなズレがなく入社を希望すれば採用となっていくでしょう。
どの時点でも考え直すことはできます。
まずは事前説明と相談会の予約をしてみましょう。
若チャレのメリット まとめ
東京都が全面バックアップする若チャレ(若者正社員チャレンジ事業)。
受入企業にも実習生にもメリットがたくさんありますね。
あらためてメリットを整理してみましょう。
多くの実習生が若チャレで就職し、今現在社会で活躍しています。
もう悩む必要はありません。
まずは、事前説明と相談会の予約をしてみましょう。