管理職になってみると「信頼できる部下」と「信頼できない部下」がいることに気づくはずです。
信頼できる部下には重要な仕事をどんどん頼みたくなり、評価はますます上がっていきます。
信頼できない部下は扱い難く、管理する上で困るタイプの部下です。
その違いとは一体どこにあるのでしょうか?
管理職目線で解説していきます。
信頼できる部下の特徴
管理職目線で見る信頼できる部下の特徴を列記してみましょう。
いくつ当てはまるでしょうか?
たくさん当てはまっている方が信頼できる部下といえます。
詳しく解説していきましょう。
指示事項を目の前ですぐ行う
管理職からの指示事項は部下が考えている優先的な仕事よりも、多くの場合優先しなければなりません。
管理職が考える重要な仕事よりも部下が別の仕事を優先的に行っている場合、または重要な仕事を見落としている場合、重要な仕事の優先度をあげさせる必要があります。
「今抱えている仕事よりも、この仕事を先に行いなさい」という指示事項への、部下の進め方次第で部下に対する信頼に大きな差がついてきます。
営業で例えると、事務処理が忙しそうな部下に対し「忙しいのは分かるが、この案件のアポイント調整を優先しなさい」と管理職が指示をしたとします。
指示事項を受けたとき、信頼できる部下は管理職が見ているその目の前で、優先案件のアポイント調整の電話を上司に声が聞こえる範囲で行います。
アポイント調整は一度でうまくいくとも限りませんし、スピード勝負の仕事です。
その意図まで汲める部下は非常に優秀であるといえます。
管理職としては目の前ですぐに取り抱える部下の姿勢に安心感を覚えるはずです。
そのような部下にはもっと重要な仕事を与えていきたくなるのです。
>>指示に従わない部下のトリセツ。2種類のタイプ別に考えよう!
欲しい情報を先に報告してくる。
信頼できる部下は管理職が欲しい情報を、確認しようとするその前に先手を打って報告をしてきます。
管理職が出した指示事項に対する結果は、特に管理職が気にかけている事柄です。
「先日のあの件どうなった?」と確認される前に
「先日の指示事項の件ですが、残念ながら不調となりました」
というように先に報告してくる部下は、結果が悪い結果であっても信頼できる部下です。
質問しようとしたことを先に報告できるということは、管理職が欲しい情報を自ら提供できているということです。
質問事項の傾向をわざと示したり、同じ質問を毎日したりして、欲しい情報を自ら報告するような信頼できる部下に育てていきましょう。
⇩上司が求める正しい報・連・相に関する記事
確認してから物事を進める。
物事を進めるときに「おそらく~だろう」と思って進めると大きな失敗をすることがあります。
車の運転で「~だろう運転」や「見切り発車」などと例えられますが、自分の経験からくる憶測が合っているとは限りません。
「飛び出してこないだろう」と思って見通しの悪い交差点を走ると、いざ人が飛び出してきたときに対応できなくなります。
車の運転では「飛び出してくるかもしれない」と考え、事前に確認する「~かもしれない運転」が大切です。
車と同様に少しでも不安に思うことがあれば、管理職に確認してから進めることが大切です。
営業の仕事は多岐に渡り、部下がどこまで仕事を理解しているか、どのように進めているかのすべてを把握することは困難です。
部下が失敗して初めて「なんで行う前に聞かなかったのか」と叱っても意味がありません。
かといって、失敗前に把握するのも難しいのです。
部下には少しでも不安に思ったら確認してから物事を進めるように指示しましょう。
この指示にちゃんと従って、確認をしてから物事を進められる部下は失敗の少ない部下です。
信頼できる部下であるといえるしょう。
期日よりも早く処理する。
当たり前のことですが、期日や時間を守れない部下は信用を失っていきます。
期日を守れない部下は何度も繰り返します。
毎週・毎月と期日の決まっている社内書類から、期日管理を徹底させましょう。
〇日までという期日に対して、期日のギリギリになっても間に合ってはいます。
しかし、間に合うか?ちゃんと提出されるか?という不安を与えるようでは信頼できる部下はいえません。
まだ期日までに余裕があるなという頃に提出されると、早いと感心できるものです。
期日を守るだけでなく、前倒しで相手を安心させることができるタイプの営業が信頼できる部下の条件です。
面倒な仕事も嫌がらない
自分にとってメリットの少ない仕事や、面倒な仕事というのは誰しも進んで行いたくないものです。
ただ、そんな面倒な仕事も誰かがやらなければなりません。
そんな面倒な仕事を依頼したときに、嫌な顔をされたら頼んだ側はどう思いますでしょうか?
一度嫌な顔をしてから仕事を受けても、頼む側はありがたいとは思いません。
「最初から嫌な顔をせず受けてくれよ」と思うだけです。
頼む側も心苦しい気持ちがあります。
「了解しました」と、気持ちよく受けてくれれば「ありがたい」「申し訳ない」と思って、相手の株をあげるのです。
信頼できる部下は快く面倒な仕事を受けます。
それが自分にとってメリットがあることもわかっているのです。
面倒な仕事を率先しろということではありません。
快く受けれるかどうかです。
快く受けれるかどうかは上司と部下の信頼関係に大きく関わるのです。
意見が生産的
会社に対する問題点や不満は誰しも抱えているはずです。
その問題点や不満を会社のせいにするのではなく、「もっとこう改善してはどうか」と生産的な意見を言える部下が信頼できる部下です。
どれだけ仕事ができても、その問題点や不満の原因が会社のせいであっても、会社への不満としてただ批判している人は管理職から信用されません。
課長などの役職者は中間管理職です。
会社の意向を会社側の立場に立って伝えていかなければなりません。
ただ不満を言い続けている人は、中間管理職になったときに会社側の立場に立って指示ができるでしょうか。
>>中間管理職が会社の愚痴を言ってはいけない5つの理由とは?
常に生産的な意見を言える人が会社から信用され、管理職へと上がっていくのです。
政治の世界でも同じです。
ただただ批判して、反対して対案を出さないのであれば、それは単なる無責任です。
不満を述べるのであれば対案を用意して述べましょう。
そして常に生産的な発言をするようにしましょう。
同じ注意を受けない
信頼できる部下は同じ注意を何度も受けません。
誰にでもミスはあるものですが、上司から受けた注意は覚えておくことが大切です。
上司が注意をすることは、上司が特に気にしていることだったり、嫌なことだったりします。
上司によって気にしていることや嫌なことは異なりますので、それぞれの特徴まで把握しておくのです。
例えば上司Aから挨拶の声が小さいと注意されたとします。
その上司Aは挨拶にこだわりを持っていることが分かりますよね。
その上司Aに挨拶をするときに、きちんと大きな声で挨拶できる人は評価されますし信頼されるはずです。
信頼できない部下の特徴
では逆に、管理職目線で信頼できない部下とはどのような部下といえるでしょうか?
これらにいくつか当てはまっていると要注意です。
詳しく解説していきます。
指示事項を怠る
管理職からの指示事項に対し、「了解しました」と受けておきながら、後回しにしたり、すぐ行わなかったりする部下は、著しく評価が下がります。
管理職は優先すべきことを行っていない場合に指示を出します。
例えば、新規営業リストの中で特に仕事のありそうな案件があったとします。
書類整理などを優先している部下に、すぐ電話営業をするように指示したとしましょう。
「了解しました」と言っておきながら、一向に電話をする素振りを部下が見せなかったら、管理職はどう思うでしょう?
部下の優先順序が間違っていることを指摘しているのに、自分の優先順序を優先されると同じ指示をまたしなければいけなくなります。
指示事項に対してすぐに反応できない部下は信頼を失ってしまうのです。
>>指示に従わない部下のトリセツ。2種類のタイプ別に考えよう!
報・連・相ができない
管理職が質問してくることは気にかけている事案であることが多いものです。
その質問に対して、部下から報告してくることを管理職は待っています。
欲しい情報を自ら報・連・相できる部下は信頼できますが、回答が出てこない部下には何度も質問や状況確認をしなければなりません。
何度も確認しなければいけない部下は、管理が非常に面倒ですので信頼できません。
報・連・相ができないタイプの部下は鈍感な性格の人が多く、先回りした行動がとれません。
性格的な問題も多く、どれだけ言っても、なかなか改善できないことが多いのです。
嫌がる態度を取る
人の嫌がる仕事は頼む側も申し訳ない気持ちで頼むものです。
「申し訳ないけど・・」と頼んだことに対して、あからさまに嫌な顔をされるとがっかりしてしまいますよね。
嫌がる態度を繰り返していると面倒な仕事や嫌な仕事だけでなく、重要な仕事や大事な仕事も頼めなくなってきます。
信頼できる部下にしか重要な仕事や大事な仕事は回ってきません。
重要な仕事をできないということは給与に反映されなかったり、出世していけないということです。
不満な意見しか言わない
会社や上司への不満は誰しも抱えていることもかもしれませんが、改善策を述べるのではなく、ただ不満を言っている部下は信頼されません。
不満がどれだけ正論であっても、批判しているだけの人は扱いにくく信頼できないだけです。
管理職側からすると、不満や否定だけの人よりも改善策を生産的に考えられる人材を信頼します。
「会社のこういうところがよくない」
「どうせ何もやってくれない」と不満は聞きたくありません。
「会社のこういう点について、もっとこうした方がよいと思います」と提案できる人材を、管理職は期待しているのです。
自分の考えを優先する
要領のよいタイプに多いのですが、上司からの指示事項に対し自分で考えている進め方の方が優れていると考え、指示に従わないタイプの営業がいます。
営業に明確な答えはないかもしれませんが、指示に従わない部下を管理職は信頼しません。
仮に部下の進め方が間違いでないにしても、管理職の指示に従わない部下は扱いにくいのです。
よく進め方をディスカッションしたうえで、管理職が納得の基の行動であれば問題ありません。
しかし、指示に従わない姿は他の営業にも波及する可能性もあります。
そういうタイプの人材はどんなに優秀でも出世していけません。
評価するのは上司である管理職です。
管理職の考えを尊重したうえで、よくディスカッションできる人材が評価されるのです。
信頼できる部下と信頼できない部下 まとめ
管理職は信頼できる部下をどれだけ自分の近くにおけるか、どれだけ育てられるかが課題となります。
これは管理する立場になってみないとわからないことも多いものです
しかし、きっと自分自身も一般社員だったころから信頼できる行動をしてきたからこそ、今の管理職という立場があるはずです。
信頼できる部下は必ず重要な仕事を任され出世していきます。
逆に優秀な営業であっても、信頼できない部下は出世させられません。
管理職の立場から信頼できる部下のあり方を伝えて、教育していきましょう。
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