大手企業や大きな組織への営業を、エンタープライズ営業(エンタープライズセールス)と呼ぶことがあります。
組織が大きくなればなるほど営業は難しくなるのですが、エンタープライズ営業を成功させるにはいくつかのポイントがあります。
そこで大手企業への営業を成功させるための3ステップを紹介します。
大手企業への営業(エンタープライズ営業)とは
大手企業への営業(エンタープライズ営業)とはどういうことでしょうか?
大手企業への営業とは中小企業への営業ととどう違うのでしょうか?
考えてみましょう。
大手企業への営業(エンタープライズ営業)とは
エンタープライズ営業とは、大手企業や大きな組織への営業を意味しています。
大手企業は大きなプロジェクトを複数抱え、セクションや決裁者も多いのが特徴です。
大手企業と取引ができると仕事の規模も大きくなり、動くお金も大きくなります。
ですから大手企業への営業には力が入りますよね。
ただし、その分普通に営業していたのでは、エンタープライズ営業を成功させることはできません。
大手企業に対する戦略を立てて営業をしないと、まったくの門前払いや単発の取引で終わってしまいます。
大手企業への営業と中小企業への営業の違い
大手企業への営業は、中小企業への営業とはまた違ったアプローチが必要になります。
- なかなかアポイントが取れない
- キーマンが誰か分かりにくい
- 実績を作っても次に繋がらない
大手企業への営業は、中小企業よりも特にこれらが難しいポイントです。
中小企業への営業と違うポイントを押さえないと、エンタープライズ営業を成功させることはなかなかできませんよ。
大手企業への営業ステップ①アポイントの工夫
大手企業への営業(エンタープレイズ営業)を3ステップで解説していきます。
ステップ①は大手企業へのアポイントです。
大代表からの電話営業は難しい
通常の電話営業であれば、代表電話に電話をかけて社名と取り扱い商品を説明し、担当の方に取り次いでもらいます。
しかし、大手企業に対して大代表から電話営業をしても、誰にも取り次いでもらえない可能性が高いといえます。
取り次いでもらえたとしても、責任者の前の前の担当者くらいで門前払いをされます。
それは、大手企業と取引したい企業は山ほどいますし、すでに既存の協力会社で充分実績を出せているからです。
大代表から電話言営業をして、アポイントを取るのはかなり難しいといえるでしょう。
飛び込みや案件なしでは厳しい
電話で営業が難しいからといって飛び込み営業は御法度です。
それこそ会社の受付で門前払いされます。
大手企業に対して飛び込み営業は逆に失礼に当たる可能性もあるので注意しましょう。
何も案件なしで営業するのは厳しいので、小さな案件でもよいので案件の担当者から攻めるのが基本です。
例えば、大手ゼネコンに営業するのにいきなり建築部長にはアポイントは取れません。
公表されている建築工事の担当者あてに電話をして、担当者に取り次いでもらうことがスタートラインになります。
小さな人脈から紹介してもらう
大手企業へのアポイントで最も有効な手段は紹介です。
小さな人脈から広げていくしかありません。
5年前に単発仕事をした人・名刺交換だけした人など、相手が覚えていないかもしれないような人に電話をかけてみるのも手段の一つです。
キーマンを教えてもらえたり、その人の新しい仕事に関わったりすることができる可能性があります。
また、どんな関りであっても営業しようと思っている大手企業の人脈は大切にしましょう。
小さい針に糸を通すようにしていかないと、人脈を広げることはできません。
大手企業への営業ステップ②初回受注はなんとしても
大手企業への営業(エンタープライズ営業)において、もっともハードルが高いのは初回受注です。
取引のない会社をシャットアウトしている会社も多いので、何としてでも初回取引を獲得することが求められます。
協力会社登録がスタート
協力会社登録や業者コードといいますが、大手企業と取引するためには協力会社登録の書類を出す必要があります。
>>建設業界の協力会社登録(業者登録)とは?登録のポイントを解説します
会社概要や決算書などを提出して、取引して大丈夫な会社か審査を受けるのです。
この協力会社登録が面倒なので、担当者は既存取引業者を使いたがります。
新規参入のハードルがここにあることは理解しておきましょう。
初回は金額を叩いてでも取る
具体的な見積のチャンスを得ることができたら、最初は赤字覚悟でも受注を優先しましょう。
初回取引と協力会社登録が大手企業への営業における最大のハードルです。
失注すると次のチャンスはなかなか得られなくなります。
情報量の少ない新規会社に頼むときには、金額で目を引かないと次に進まないことがあるのです。
初回の仕事で協力会社コードが取得できます。
このチャンスを逃してはいけませんよ。
購買部への挨拶
大手企業になると多くの場合、「購買部」というセクションがあります。
その名の通り、物やサービスを買うセクションです。
コピー用紙や求人など各担当から回ってくる稟議に対し、購買部が決裁して契約の手続きを進めていきます。
購買部の力が各担当より強く、直接金額ネゴや業者選定に関わる場合もあります
>>「ネゴ」「ネゴる」とは?営業シーンで使われるネゴの意味と使い方
購買部への営業はしていきたいところです。
例えば、営業部が求人をかけようとしたときに、どのサービスを使うか情報がない場合には購買部に問い合わせることがあるからです。
購買部が問い合わせのあった担当者に、自社のサービスを推してくれるようになれば最高です。
担当がよく使っているサービスがない場合には、購買部に問い合わせをすることは覚えておきましょう。
大手企業への営業ステップ③次に繋げる
大手企業への営業(エンタープライズ営業)において難しいのは、キーマンが誰なのかがわかりにくいこともあげられます。
セクションや従業員数が多く決裁権を持つ方も複数いるため、1人攻略しても横展開できません。
大手企業の中を横展開して、市場を拡大していくために必要なキーマン探しについて考えてみましょう。
紹介をつなぐ
購買部や担当者など少しでも人脈を作れたら、さらに誰かを紹介してもらうようにお願いしていきましょう。
セクションや従業員が多いということは、1人を攻略したところで次に繋がらないということです。
可能な限り名刺交換をして、可能な限り紹介をしてもらうことで次に繋がります。
建設業界で考えると、多くの工事が同時進行で稼働しています。
それぞれの工事には責任者がいますので、紹介してもらい挨拶いにくのです。
営業案件を見つけたときに担当者を紹介してもらえるような人脈を作っていくことが大切です。
定期的に連絡する
何も仕事がないときできでも定期的な連絡が大切です。
人は忘れていってしまいますからね。
例えば、求人営業であれば採用したいタイミングと不要なタイミングがあります。
不要なタイミングに連絡があると煩わしいと思う反面、いざ必要になったときには電話があった会社に見積を取ろうと思うものです。
仕事がなくても定期的な連絡をすることが、関係を切らさないための工夫です。
信用を積んでいこう
大手企業への営業となるほど、人脈がモノをいいます。
そして、お金よりも信用を重視する傾向があります。
そもそも、大手企業はお金持っていますからね。
安いからといって低品質なサービスであることを嫌います。
予算があることは間違いありませんし、見積比較もしなければなりません。
しかし、最後に決め手となるのは品質であり信用です。
間違いない仕事をして、しっかりと実績を積んでいくことが次の仕事につながるのです。
大手企業への営業(エンタープライズ営業)を成功させる3ステップ まとめ
大手企業への営業(エンタープライズ営業)を成功させるための3ステップを改めて確認します。
エンタープライズ営業を成功させるには3つのハードルがあります。
ここを工夫して、大きな仕事を獲得していきましょう。