同行営業には目的が2つあります。
1つは教育者の営業に新人を連れていく同行営業。
もう1つは新人の営業に上司がついていく同行営業です。
前者は新人のスキルアップ・後者は受注確率アップが目的です。
営業同行の目的を理解して上手に使い分けるコツを紹介します。
同行営業とは
まず同行営業とはどんなことを意味しているのでしょうか?
同行営業の意味から確認していきましょう。
同行営業の意味
同行営業とは新人などと上司が同行して客先に営業に行くことです。
同行営業とも営業同行とも呼びます。
知識や経験のない新人と一緒に教育係である上司が一緒に営業に行きます。
顧客からすると1人ではなく、2人きたことに少し驚きを与えるかもしれません。
見た瞬間に上司と部下の関係はわかるはずです。
この時の上司と部下の関係性には2つの目的があります。
同行営業の2つの目的を確認していきましょう。
同行営業の2つの目的
同行営業には2つの目的があります。
新人のスキルアップを目的とした同行営業は、上司の営業に新人が研修として同行している状態です。
受注確率アップを目的とした同行営業は、新人の営業に上司が同行している状態です。
同行営業はこの2つの目的によって、意味合いは全く別物になります。
正しい使い分けができるように確認していきましょう。
新人のスキルアップの同行営業とは
新人のスキルアップを目的とした同行営業から確認していきましょう。
この同行営業は新人研修の一環として行われます。
上司の営業に同行し教育を兼ねる
教育係である上司の営業に同行して、一緒に顧客と面会します。
このとき新人は上司の商談についていき、営業について学ぶ目的で同行しています。
⇩教育係の選任はとても重要です。
>>新人の教育係に向いている人と向いていない人。正しい教育係の選び方
ビジネスマナー・商談のアプローチ・打合せで必要な内容・営業のクロージングなど上司の打ち合わせを見て学びます。
自分に置き換えて、同じケースでどのように打ち合わせするのかを学ぶのが営業同行です。
顧客との適切なマナー
顧客からすると同行している新人はいなくてもよい存在です。
ただ、顧客側も新人の教育なのだということは理解してています。
顧客側の理解を踏まえているということですが、マナーをわきまえるが重要です。
上司は名刺交換の際には、「新人なのですがよろしくお願いします」と一言添えて、営業同行の意図を示しましょう。
顧客側も意図が明確になれば悪い気はしません。
新人も打ち合わせの際には相槌など、顧客との会話にはしっかりと参加させましょう。
事前のレクチャーが重要
新人の同行営業で大事なことは事前のレクチャーです。
- 打合せの目的
- 打合せで必要な確認事項
同じケースで新人が1人でも打ち合わせができるように、ポイントをレクチャーしておくことが大切です。
ただ新人が同行しているだけで、何を打合せしているのか分からないということが起こってはいけません。
営業のロープレで練習しておきましょう。
>>営業ロープレ(ロールプレイング)のやり方とコツ!新人教育に使ってみよう
営業日報で振り返り
新人の研修では、日々営業日報をつけていることでしょう。
営業日報で、今日行った打ち合わせの要点をまとめさせてチェックすることが大切です。
ここで新人の理解度がわかります。
営業同行する期間は長くても1か月程度で、新人研修後は1人で客先に行き同じ打合せができるようにならねばなりません。
日々の理解度を確認しながら営業同行は行うようにしましょう。
受注確率アップの同行営業とは
新人の受注確率アップを目的とした同行営業についても考えてみましょう。
この営業同行は新人が営業主体となります。
新人の折衝に同行し安心感を与える
新人の営業がアポイントを取った新規顧客のサポートとして、上司を同行営業させることで顧客を安心させます。
新人の営業マンに仕事を依頼することについて、顧客が不安を感じているかもしれません。
その営業のクロージングのタイミングなどに、上司を営業に同行させることは安心感を与える効果が期待できます。
>>営業のクロージングとは?失敗例から正しいクロージングの方法をつかもう
上司を連れてきてくれたこと、何かあったときにもしっかり対応してくれそうだと安心感をあたえることで受注確率が上がります。
必要に応じて発言する
同行営業で新人が間違った発言をしたり、回答に窮してしまった時には必要に応じて上司が発言してサポートします。
新人の教育目的よりも受注確率を高める目的のほうが強いので、しっかりと対応したほうが得策です。
特に新人営業の取ったアポイントが重要顧客であれば、早い段階から営業に同行して受注確率を高めることが重要な場合もあります。
上司がある程度受注までの道のりを作って、新人が営業実務を行う。
新人も立派な戦力として使う場合に同行営業を使うのです。
適切なアプローチを見せて盗ませる
ある程度新人が独り立ちしてから、もう一度上司のアプローチを見せると気づかなかった上司の技に気づくことでしょう。
適切なアプローチを見せて盗ませることで新人の教育としても作用させます。
目的は受注確率を高めることですが、同行営業の副作用として新人の勉強になるはずです。
同行営業の2つの目的 まとめ
同行営業には2つの目的があります。
1つは新人のスキルアップ。
もう1つは受注確率のアップです。
対顧客からすれば2名できているわけですが、その営業同行の目的によって意味合いは異なります。
同行営業の2つの目的に応じて上手に使い分けていきましょう。