協力会社登録(業者登録)をしないと仕事を依頼できないんですよ。
建設業界において一定規模の顧客と新規取引を行う際には、協力会社登録をしないと取引できないことがあります。
そこで、協力会社登録とは何か?
協力会社登録する際のポイントについて解説します。
建設業界の協力会社登録(業者登録)とは?
建設会社は多くの協力会社を駆使して施工を行います。
そのため協力会社登録(業者登録)をする会社は少なくありません。
多すぎる協力会社を管理するために、設けられているのが協力会社登録(業者登録)です。
⇩協力会社についてはまずこちらをご覧ください。
>>建設業界で使われる「協力会社」とは?正しい意味と元請との関係性
協力会社登録(業者登録)は建設業界でも特に大手企業との取引で必要になることが多いですね。
会社概要や決算書などの情報を初回取引前に集め、審査・登録した協力会社と取引する慣習があります。
もちろん登録不要の会社もありますが、協力会社登録を求める会社も増えてきています。
会社によっては厳しい審査条件を持っている会社もあります。
- 保険未加入業者とは取引しない
- CCUS加入を条件としている
- 財務諸表のチェック
- 帝国データバンクの企業評点
このようなポイントで審査で取引を断られることもあるのです。
>>CCUSとは?対象職種は?協力会社の立場でわかりやすく解説します
協力会社登録(業者登録)の目的
協力会社登録(業者登録)を事前に求める目的はいくつかあります。
- 社内データベースとして協力会社を共有
- 経営に不安な業者や悪質な業者の排除
- 多すぎる業者の選別
それぞれの目的を解説していきます。
社内データベースとして協力会社を共有
協力会社をデータベースとしてリスト化しておくことで、工種ごとに見積を取りやすくしています。
登録業者は審査済で実績もある会社ですので間違いないですよね。
良い会社には良い協力会社がいるといいます。
協力会社は財産ですので、しっかりと管理して共有することは目的の1つです。
経営に不安な業者や悪質な業者の排除
建設業界には経営が不安な業者やブローカー(すべて丸投げする業者)など悪質な業者も存在します。
協力会社登録の際に経営状況なども調べることで、施工に不安がある業者を排除する目的があります。
先に多くの経費が発生する建設業界では倒産する会社も後を絶ちません。
納税や財務状況を確認して健全な会社かを判断してから、施工協力をしてもらおうと考えているわけです。
近年では保険加入やCCUS加入を業者登録の条件にしている会社も増えてきていますね。
多すぎる業者の選別
大手ゼネコンや不動産デベロッパーなどに営業したい会社はたくさんあります。
大手企業ほど大きな市場がありますので、各社新規参入をめざして営業をかけてきます。
ここで、協力会社登録で敷居を設けないと、現場ごとに未登録の業者が入り管理がしにくくなってしまいます。
多すぎる業者を選別するために、簡単には不安のある新規業者を参入させないようにする目的があります。
協力会社登録(業者登録)の課題
協力会社登録(業者登録)は、営業する側からすると課題が多い仕組みです。
- 新規取引のハードル
- 事務手続きが面倒
- 登録にこぎつけるのが難しい
わかりやすく解説していきます。
事務手続きが面倒
現場担当者にしても、協力会社登録を会社に申請するのは面倒なんですね。
新規業者を使いたい理由を会社に説明→協力会社に書類を提出させる→書類の審査にも時間がかかる
協力会社登録が済んでいていつも頼んでいる協力会社なら、こんな手間が必要ないのです。
もちろん協力会社にしても、必要書類の取り寄せや登録書類の作成に時間がかかります。
新規取引のハードル
協力会社登録は新規取引の大きなハードルとなっています。
すでに使っている協力会社で仕事が回っているというのもあるのでしょう。
大手企業に実績のない会社が営業するのは非常に難しい実情があります。
新規業者の参入が少ない閉鎖的な会社も少なくありません。
良い会社や良いサービスが届かないこともしばしば起こることになります。
登録にこぎつけるのが難しい
新規協力業者としてみれば、市場のある大手企業に営業したいわけですが、登録にこぎつけるのは非常に難しいですね。
仕事をするという実績の上でしか、なかなか協力会社登録はしてもらえません。
具体的な見積案件でもない限り、現場担当者や購買担当者に営業することすら難しいのが大手企業です。
そのうえ、いつもの会社を使ったほうが楽と考えていますので、仕事にこぎつけるのも一苦労です。
協力会社登録(業者登録)に必要なもの
どうにか新規取引または先行して協力会社登録(業者登録)まで、こぎつけたなら営業攻略できたということになります。
協力会社登録に必要なものを紹介しますね。
求められるものは会社によって違う
会社によって協力会社登録で求められるものは違います。
大手企業でも業者登録不要の会社もあれば、中小企業でも業者登録が必要な場合があります。
協力会社登録で必要なものはわかりやすく整理されているはずですので、求められている書類を準備して速やかに提出しましょう。
保険未加入業者の排除が建設業界では強くなっており、近年では保険関係の書類が求められるようになってきています。
会社概要
協力会社登録には会社概要は必要になりますね。
よく求めらる内容を列記しておきます。
- 会社名
- 支店・営業所の住所・連絡先
- 担当者連絡先・メールアドレス
- 本社の住所・連絡先
- 代表者名
- 資本金
- 設立年月日
- 従業員数(有資格者数)
- 会社の事業登録
- 営業内容・営業品目
- 主要取引先
- 主要仕入れ先
- 支払い条件
このような基本的な会社概要をベースにして、会社によってさらに細かい情報を求められることがあります。
添付書類
会社概要のほかに添付書類を求められることもあります。
- 保険関係の領収書
- 直近複数年の決算書
- 会社の事業登録
- 実績表
- 会社パンプレット
- 登記簿謄本
- 納税証明書
これらの書類が求められることがあります。
本社で取り寄せる必要がある書類を求められる可能性もありますので覚えておきましょう。
建設業界の協力会社登録(業者登録)とは?まとめ
建設業界は多くの協力会社を使って施工するため、初取引の際には協力会社登録(業者登録)を求める会社がたくさんあります。
- 社内データベースとして協力会社を共有
- 経営に不安な業者や悪質な業者の排除
- 多すぎる業者の選別
これらの理由から、新規参入へのハードルを設けています。
良い会社ほど良い協力会社を持っています。
協力会社登録の仕組みを理解して、円滑に処理できるようにしましょう。