管理職は社員の転職問題には頭を抱えますよね。
せっかく時間をかけて育ててきた人材を失うのは大きな痛手です。
可能な限り優秀な人材には長く働いてほしいですし、代わりの人材を確保するのは大変な労力と費用がかかります。
今回、営業事務の女性から退職の意向を受けました。
すでに転職先から内定をもらっている状態でしたが、ここから引き止め交渉の結果成功した事例を紹介します。
また、引き止めに成功したポイントはどこにあったかも分析してみますので確認してみて下さいね。
転職引き止めに成功した実例を紹介!
今回、転職引き止めに成功した実例を紹介します。
⇩退職希望者を取り巻く状況はこんな感じ。
辞められると代わりの人材を探して育成するのに時間もかかり、大打撃必至となりますので引き止めたい状況でした。
転用できる部分もあると思いますので参考になる部分があれば幸いです。
辞めたいは突然に
あのー、お時間少しよろしいでしょうか?
大丈夫です。
会社を退職させていただきたい思ってまして…
「会社を辞めたい」という相談は突然にやってきますね。
理由を聞かせてもらえるかな?
(マジか..やばいな..)
責任ある仕事に就いてキャリアアップしていきたいと考えています。
実は正社員として転職先はもう決まっています。
(契約社員じゃなくて正社員がいいのかな)
(給与面の問題がありそうだな)
会社としては○○さんには非常に助かっていて、残って欲しいと思っています。
正社員やキャリアアップが目的なら、うちの会社でもよくない?
正社員としての採用を会社に相談するから少し時間もらえないかな?
〇日までに先方に入社日の回答をする必要がありまして…
会社に相談する1日だけもらえないかな?
今の仕事に何か不満があるなら難しいかもしれないけど
今の仕事に不満はないのですが、私でなくてもできるかなと。
もっと自分を成長させたい気持ちもあります。
○○さんだからできている仕事はあるよ。
こちらが提示できる条件だけでも聞いてほしい。
承知しました。
正社員への道を社内調整
転職先から内定をもらっての相談でしたので、相談というよりも報告でした。
しっかりとした決意を感じましたね。
転職しようと考えた理由が給与や待遇にあると踏んだので、正社員としての提示ができるかどうかしか引き止める方法はないと判断しました。
必要な人材であること・正社員として登用したいことを会社に相談。
営業事務を社員として登用する予定は会社にはありませんでしたが、正社員として打診する了承をとりました。
会社が短い時間で正社員として登用にOKを出してくれたのはありがたかったです。
引き止めるにはそれしか方法はありませんでしたからね。
面談で説得
正社員としての登用OKが出たので面談を行うことにしました。
正社員として会社から登用の許可を取ったから、正社員として働いてほしい。
正社員での調整ありがとうございます。
ただ、給与面と自分自身の成長を優先したいと思っているんです。
会社としては20年成長し続けていて、正社員になると賞与が支給されます。
年収ベースでは4か月分くらいは増えると思います。
その水準だと転職先よりも年収は増えますね。
ただ、今の仕事の先にステップアップはあるのでしょうか?
給与面で転職先より良い条件は効果あったな。
正社員じゃないから頼めなかった仕事というのはあったし、正社員になったら自分で考えて仕事を作って欲しいと思っています。「こういう仕事がしたい」は積極的に採用するし、半期に一度目標設定しながら進めます。目標の達成状況を含めて半期に一度考課で給与の見直しすることになります。
なるほど。昇給も今後は期待できるんですね。
「1日考える」といこうことでしたが、転職を考え直してくれました。
無事に転職引き止めに成功をした実例です。
転職引き止め交渉に必要な条件
転職の内定を取ってきているところからの、引き止め交渉でかなり不利な状況でした。
しかし、転職をひっくり返すことができたのは、交渉に必要な条件を満たすことができたからです。
引き止め交渉に必要な条件を解説します。
明確な理由の確認
なぜ転職しようと思ったのか?
会社を辞めようと思うには色々な理由があります。
若年社員が会社を辞める理由について詳しくは>>【仕事を辞める理由10個】退職理由は次のステップへ活かそう!をご覧ください。
何が原因となっているかを把握しないと対策は立てられません。
今回の転職希望理由は「給与面の不満」と契約社員による「自分の未来が見えない」が理由と判断しました。
退職の理由を正確につかむことが引き止め成功への絶対条件です。
代替案の検討
転職の理由に対する代替案を用意できるか?
ここが転職引き止めの肝となりますね。
今回、真面目な人柄であることは会社も把握していたので、正社員としての登用については予定外の人事でしたがすぐに了承を取れたのがよかったです。
交渉をするときには代替案なくして、話は進みません。
何も材料なしで「もうちょっと頑張ってみよう!」といっても、何も変わりませんからね。
仕事が嫌なら配置転換や仕事量を減らすことも代替案です。
不満に対する代替案を正確につかまない限り、決断を変えることは難しいでしょう。
スピード対応
どれだけ早く対応するか、そのスピード感に本気度は伝わります。
今回は退職の意向を受けて、翌日には正社員登用の話を会社にとりつけ、その翌日には面談を行いました。
会社の稟議を通すのに2週間かかるといっていたら、間違いなく転職されていたでしょう。
スピード感を持って判断してくれた会社にも感謝です。
本当に大事な人材であれば、ほかの仕事を差し置いても優先して対応しなければならないと改めて実感しました。
転職引き止め成功に効果的だったポイント
今回、転職引き止めに成功しましたが、効果的だったなと感じたポイントを共有します。
これはほかのケースでも転用できる場合もあるはずです。
的確な代替案
転職の決意はそう簡単には揺らぎません。
よく考えて決意して相談してきているはずです。
そこで大切なのは感じている不満を取り除く的確な代替案です。
そのためには明確に転職を希望する理由を確認し、会社側でできる条件を提示しなければなりません。
今回は「給料+ステップアップ」が課題でしたので、「正社員+役割とビジョン」が代替案でした。
どれだけ的確な代替案を提示できるかが、引き止め成功のカギを握るでしょう。
必要な人材であることを説明
会社に必要な人材であることはしっかりと伝えたいですね。
自分が必要とされていると感じると心は揺らぎます。
「今の仕事は自分じゃなくてもいいんじゃないか」と言っていたけど、○○さんのように営業が全員出払って1人の状態なのに、自分で仕事を見つけられる人はなかなかいないよ。
「会社は評価しているよ」ということを伝えましょう。
今回は実際に必要な人材ですし、自然と言葉が出ましたが効果あったと思います。
感情的に伝える
感謝や残ってほしい気持ちは言葉や態度で表現したいですね。
○○さんが真面目に毎日いてくれるおかげで、営業はみんなテレワークができているんだ。○○さんには本当にみんな感謝しているよ。
上司からこんなふうにいわれたら嬉しいですよね。
普段の仕事を評価してもらって、感謝されることは誰しも嬉しいはずです。
大事な人材だとを気持ちを込めて伝えたことが、引き止め成功につながっていると思います。
転職引き止めに成功した実例を紹介!まとめ
営業事務が退職してしまうと、採用と教育が大変だったので引き止め成功できてほっとしています。
今回引き止め成功の要因は、適切な代替案と気持ちを込めて残って欲しいことを伝えたことにあります。
大事な人材はなるべく長く働いてもらえるよう環境を作っていきましょう。
ちなみに後日談ですが、転職にはエージェンㇳが間に入っていたらしく、強めの引き止めにあったようです。
エージェントも成功したら報酬があるんでしょうから引き止めますね。
エージェントの引き止めは断ってくれてよかったです。
大事な人材が転職していかないように、引き止め成功の事例からコツをつかんでおきましょう。