できるリーダーがいてまわしている組織は一見強そうに見えますが、そのリーダーがいなくなったときにもろいものです。
部下が育たないと嘆いているリーダーは部下に任せていないことが多いのです。
任されることで人は強い責任感を持って行動するようになります。
ここではどのように任せるべきか、上手な任せ方についてご紹介します。
部下に任せるメリット
人は仕事を任せられることで成長します。
まずは、「任せること」によるメリットを考えてみましょう。
これらは任せられたことによるメリットです。
それでは、解説していきます。
責任感を持って取り組む
任せることで責任感を持って取り組むようになります。
成功したら自分の評価が上がる
失敗したら自分の評価が下がったり、クレーム処理をしたり責任を取らなければならない。
だからこそ真剣に取り組むのです。
責任を負わない人に重要な仕事は回ってはきません。
誰かが責任を取ってくれると思う仕事は適当になってしまうものなのです。
考える力がつく
任せられた仕事はどうやったらうまくいくか。
どうしたら達成できるか。
自分に責任があるので考えるはずです。
この考える力は与えられた仕事をしているだけでは身に付きません。
試行錯誤しながら試して実行するという作業を繰り返すことで身に付いてくるものです。
そして、この考える力は管理職など出世していくうえで必須スキルです。
経験値がつく
責任ある仕事を実行したという経験値がつきます。
ルーティンで任せられている仕事ではなく、新しく任せられた仕事が増えて経験値となっていくことで成長していきます。
それが難しい仕事であればあるほど、重要な経験値となります。
誰かに何かを教えるときに必要なのは自分の経験です。
任せることでその重要な経験値を積ませるのです。
達成感を得られる
自分に任せられた難しい仕事を、自分の力で達成したときの達成感は格別なはずです。
この達成感は任せられなければ得ることはできません。
自分に責任のない仕事をクリアしたところでうれしくないですもんね。
責任があるからこその達成感です。
そして、この達成感こそが次のモチベーションに繋がるのです。
成長のスピードを早める
難しい仕事を任せることで成長スピードは格段に上がります。
簡単な仕事だけしていたらなかなか成長はできません。
このスピードアップは組織にとって重要です。
出遅れや成長スピードが遅いことで競合から淘汰されていきます。
管理職としての評価もあがりませんし、弱い組織となってしまうのです。
部下への上手な仕事の任せ方
「任せる」といってもどのように任せるとよいのでしょうか。
上手な仕事の任せ方をご紹介します。
1ステップ先の仕事を任せる
部下には1つ先の役割を任せるようにしましょう。
一般社員には主任の役割。
主任には係長の役割。
係長には課長の役割
1つ先のステップの仕事をさせることで成長を促します。
「まだその役割をやるには早い」
「まだその役職では無いからその役職になったらやる」
と言う社員はその役職になっても絶対にその仕事はできません。
その仕事をしている人がその役職につくのです。
思い切って任せる
任せる時は不安そうな素振りを見せてはいけません。
少しまだ早いかなと思うようなことでも思い切って任せてみましょう。
任せるときは一般社員としての立場ではなく責任者の権限を与えます。
重責を担うことで責任感を持ち成長を促すのです。
中途半端はよくありません。
思い切って任せましょう。
期待して任せる
「任せる」ということは部下に責任を放り投げるということではありません。
部下に責任を与えて、本気で取り組ませることです。
「任せる」ときに上司からの期待が込められることで、モチベーションが高められるのです。
「この仕事任せるからやってくれ」よりも
「先を見据えてこの仕事を任せるからやってくれ」といわれた方がやる気になりますよね。
任せるときには期待を込めた言葉も一緒にかけると効果的ですよ。
無理を承知で任せる
まだ未経験の仕事など大きな腹対応などまだ難しいかなと思うことを無理を承知で任せましょう。
この時すぐに「できない」「無理です」と回答するようでは先がありません。
伸びる社員はどうやったらできるかを考えるものです。
ここでどうやったら達成させれるかを試行錯誤しながら達成させる社員は、1つステップアップしているはずです。
途中で口出ししない
部下が試行錯誤して行動しているときに、ついつい横から口を出したくなってしまうかもしれません。
しかし、そこはぐっとこらえることが大切です。
少しくらいは失敗させても大丈夫です。
途中で口を出されると任せられている責任感が薄まります。
「口出ししてきて任せるんじゃなかったのか?」
という不満や甘えに繋がりますので、途中での口出しは我慢しましょう。
一定の権限を与える
任せるからには一定の権限を与えることが大切です。
任せられているのにいちいち上司にお伺いを立てなければいけないのであれば、任せられているという自覚をなかなか持てません。
任せるときには一定の権限を与え、権限の範囲内で決めたことには何も言わないことが部下を育てる秘訣です。
失敗しても成功しても部下の糧になりますので、最初に一定の決裁権を与えるとよいでしょう。
見守りつつフォロー
任せるといって完全に放置するわけではありません。
あくまでも部下を成長させるために任せるわけですから、失敗して潰れてしまっては元も子もありません。
重荷となり過ぎて退職や精神的な病因となっては困ります。
部下からの報・連・相や普段の声掛けの中で見守りながらフォローをしていきましょう。
アドバイスをしなくても「聞く」ことが大切です。
また、間違った方向に進んでしまったときには軌道修正の手助けをする必要があります。
部下の観察は常に行うようにしましょう。
部下に任せること まとめ
部下に「任せる」ことで組織は強くなります。
逆に全部自分でやってしまう管理職の元では組織は強くなりません。
上手な任せ方を理解して、責任感とモチベーションを高めさせて部下を育てましょう。
部下に適した任せ方を見極めて使い分けてみてくださいね。
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