法人営業において未入金は倒産の合図かもしれません。
担当者が会社に請求書を回し損ねていたということ以外、入金が遅れるということは通常の企業ではありえません。
新型コロナウィルスにより日本経済は混乱し、倒産する会社が増える可能性があります。
未入金から倒産リスクを察知しましょう。
未入金と倒産の関係
未入金が発生する原因と倒産の関係について考えてみましょう。
未入金とはいったいなぜ起こるのでしょうか?
未入金とは
未入金とは顧客の入金予定日に入金が確認できない状態を示します。
一般的に企業は請求の締め日と支払日を設定しています。
末締めの翌末払いなど30~60日サイトでの支払いが一般的です。
その支払いサイトで支払われないというのは、担当者が会社に請求書を回し損ねていたということ以外通常はありえません。
未入金と倒産の関係
企業は銀行からの融資を受けて、お金をまわしています。
社員の給料・事務所経費・銀行への返済・協力会社への支払いなど、収入と支払のバランスを取りながら経営をしています。
ここで見込んでいた収入が入らなかったときであっても、これらの支払いは行わねばなりません。
しかし、会社に現金がなく更なる銀行からの融資が難しいとなると、どこかの支払いを止めるしかありません。
ここで一番最初に止められるのが協力会社への支払いです。
優先度は銀行➡社員の給料➡事務所など経費➡協力会社への支払いとなります。
銀行への支払いができなくなれば倒産への道をたどることになるからです。
未入金の発生は倒産へのスタートラインかもしれないのです。
未入金の原因は故意?過失?
入金予定日に入金が確認できないときには、顧客に未入金の理由と入金予定日を確認する必要があります。
未入金となる理由は様々です。
自社の請求の不備や顧客担当者の問題の可能性もありますが、不備がないのであれば企業としての問題です。
故意なのか過失なのか?
多くの場合過失なのですが、故意であれば倒産リスクが高まっています。
未入金の理由や回答からこの本質を見抜かなければ非常に危険です。
倒産リスクのありそうな未入金の理由
未入金を確認して連絡をしたときに、どのような回答に倒産リスクを疑えばよいのでしょうか?
倒産リスクのありそうな回答を確認しておきましょう。
理由を回答できなかったり、会社側の都合で支払いができなかったりする場合は資金繰りに問題がある可能性があります。
早急に回収を行う必要があるかもしれませんので注意が必要です。
また、〇日までに振り込むという回答のあと未入金であれば悪質です。
即座に回収に動き出しましょう。
未入金で倒産リスクを察知したらどうするか
未入金で企業の倒産リスクを察知した場合にはどうのようにしたらよいでしょうか?
入金の確認が取れるまでの流れを確認していきましょう。
経営状態を確認する
未入金の状況に倒産リスクを感じたら、直接会社に訪問しましょう。
直接話をして督促することは当然ですが、経営状況の確認も行う必要があるのです。
会社の状況確認をすることで倒産リスクをつかむことができるかもしれません。
- 従業員がいない
- 従業員が少ない
- 事務用品が少ない
倒産の予兆を感じることができれば、今後の対応に繋がります。
入金予定日の確約を取り付ける
顧客担当者や経理担当者から入金日の確約を取り付けなければなりません。
この状況ではすでに他の会社からも督促を受けている可能性があります。
支払いをする際には圧力が強い会社から支払っていきますので、強い圧力をかけていかねばなりません。
入金日の確約を取り付けましょう。
このときに入金日、金額、会社の押印をした書面を取得することも依頼しましょう。
「入金の確約を書面でもらわないと会社に報告できません」
文章自体に効力はありませんが、圧力をかける上では非常に有効です。
担保を回収する
納品した商品が現物であるのであれば回収しましょう。
何も担保がない状態では支払いの優先順序を下げられてしまいます。
お金を支払っていないのですから商品を保有する権利はありません。
入金確認ができるまで担保として商品を回収することで、3つの効果が期待できます。
- 支払いの優先順位を上げさせる
- 支払いの圧力をかける
- 倒産した場合にも回収ツールになりうる
商品があるのであれば、担保の回収は効果的です。
代理人からの文書
営業担当者レベルで督促をしても回収が困難であれば、弁護士などの代理人に頼むしかありません。
営業担当者はできるところまで行って、会社に報告をあげましょう。
内容証明郵便での督促状などで支払いを督促します。
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未入金のまま倒産したらどうなるか
未入金のまま倒産してしまうとどうなるのでしょうか?
売掛金は不良債権という言葉に代わります。
倒産後の状況を確認してみましょう。
担保を回収できなければ回収困難
担保となるものが回収できなければ、不良債権として回収は困難になります。
担保があれば引き継ぎ業者などに売り込むことができるかもしれないので、どうにか回収しておきたかったところです。
もし担保を回収していたなら、今後の引継ぎ業者など関連業者へのツールとして保管しておくことが大切です。
しかし、担保がなければ債権者同士での分配金しか期待できません。
企業が倒産してしまえば、この分配される現金には期待できないでしょう。
代理人としか話せない
当時の担当者であった社員とも直接話はできなくなります。
担当者が状況を知っていようがいまいが、担当者はもはやその倒産企業の社員ではありません。
担当者に督促することはできませんので注意しましょう。
弁護士など債務整理の代理人が立てられれば、代理人との話し合いになります。
社長を含め直接の交渉は難しくなります。
回収不能の処理
債務整理などで分配が行われれば、それ以上の回収は不可能です。
不良債権としての処理を会社で行って完了となります。
最終的な処理は営業から手が離れ、会社で行うことです。
しかし、未回収額が10万円としても10万円分の利益を出すには、倍以上の売り上げが必要となるでしょう。
無駄な労力もたくさん使ったはずです。
企業の倒産が起こってしまうと損失は莫大に発生するのです。
未入金は倒産の合図? まとめ
未入金の発生や企業の倒産は、新型コロナウィルスの影響で今後増えてくる可能性があります。
請求したのに入金されない。
この未入金のタイミングや理由次第では、即座の回収が求められます。
倒産リスクを察知してすぐに回収に動けるか。
強い態度で臨めるかが重要です。
未入金から倒産リスクを察知して、スピード感を持って行動できるようにしましょう。
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