新型コロナウィルスの影響で東京五輪(東京オリンピック)の開催延期が決まりました。
五輪延期に伴い、日本経済だけでなく世界経済に混乱が起きています。
五輪延期で建設業界や不動産業界へどうなるのでしょうか?
その予測と対策を考えてみましょう。
五輪延期による建設業界の影響
五輪延期による建設業の影響は、他のエンターテインメント業界や飲食業界に比べれば、比較的軽微であるといえます。
今起こっている現状と予測を確認してみましょう。
2020年度の当初予測
オリンピックを行う予定であった2020年度の当初予測はどうだったのでしょうか?
建設投資2020 年度は 63 兆 2,700 億円前年度比で微増(1.8%増)
政府建設投資2020 年度は前年度を上回る水準に(3.5%増)
民間建設投資2020 年度は前年度と比べて微減(△1.2%)
※2020年度当初予想(五輪延期前)
2019年度に比べても概ね変化なく、五輪イヤーとしての期待がありました。
建設業界・不動産業界に従事していた方は、五輪景気の恩恵を受けた1年が見込めたはずでした。
新型コロナウィルスによる影響
2020年になり猛威を振るっている新型コロナウィルスによる影響。
エンターテインメント業界・旅行業界・飲食業界などを中心に、自粛に伴う影響を受けて経済的な損失が発生しています。
建設業界はというと、公共工事については一部施工中断という判断があったようですが概ね施工は継続しています。
民間工事についても施工は継続されており、他業界に比べると比較的影響は軽微に推移していうようです。
五輪延期により建設業界や不動産業界はどうなる?
東京五輪(オリンピック)延期が1年程度を目安に決定されました。
五輪延期による影響は建設業界にどのような影響を与えるのでしょうか?
五輪延期による建設業界や不動産業界の予測を考えてみましょう。
公共事業の発注量は災害復旧を中心に維持
五輪延期となっても東日本大震災や台風19号に伴う災害復旧、道路・河川インフラなどの整備工事は維持される見通しです。
五輪延期とは関連しない公共事業は2020年度以降も見込まれそうです。
公共事業は五輪延期後もある程度見込まれる
五輪延期や新型コロナウィルスの影響で、景気が低迷していくと失業者が増えてくる可能性となります。
この受け口として公共事業はある程度の発注が見込まれます。
他の経済対策に充てることで財源は少なくなる可能性も
エンターテインメント業界・飲食業界など、建設業界よりも特にダメージの大きい業界へ財源を充てていく可能性もあります。
逆に公共事業費が削減される可能性も十分考えられます。
海外からの建設資材流通に不安
マスク不足がなかなか解消されないように、海外で作られる建設資材が国内に流通しづらくなってきています。
この状態が悪化すると、施工自体にストップがかかる可能性が考えられます。
建設資材の流通に支障が起きると大きな経済損失が建設業界にも起こり得ます。
不動産・民間建設事業は購買意欲減が懸念
新型コロナウィルスによる五輪延期、経済活動の混乱。
これらにより一般消費者の購買意欲減が懸念されます。
不動産の購入は一生ものの買い物です。
戸建てやマンション建築などの一般消費者向けの建設・不動産事業へのダメージは、全体的な不景気の流れに影響がありそうです。
五輪前後の経済は不透明、倒産相次ぐ可能性も
五輪が延期となりましたが、1年後の実施自体も不透明です。
そのため日本経済もどのように推移していくのか先行きが不透明な状況となります。
不安による購買欲減や自粛の流れは景気の悪化を招く可能性が考えられます。
建設業界においても、倒産企業が増えてくる可能性も十分ありえますので注意が必要です。
五輪延期による建設業界や不動産業界への対策
五輪延期の決まった2020年度。
建設業界や不動産業界で働く人は、どのように対策していけばよいのでしょうか。
国の政策に期待
国の経済政策をたてていくはずです。
財源や予算の使い方については多くの課題がある中で五輪延期が決定しました。
不景気となっていくと失業者も増えてくる可能性があります。
建設業界はそんな失業者の受け口となりやすい業界です。
公共工事の発注は失業者を減らす対策となり得るからです。
五輪延期で一段落となりかけていた建設業界ですが少しの期待が残りました。
購買意欲減を踏まえた経営
一般消費者の購買意欲が、五輪実施後も落ちていく可能性があることを理解しておきましょう。
不動産業界は建設したマンションや戸建てが、売れないという事態にリスクがあります。
もともと五輪実施で日本経済は一段落と見る状況がありましたが、新型コロナウィルスの影響で購買意欲は落ちています。
これは五輪実施後も続いていく懸念があります。
立地戦略やうまく売却できない不動産により、倒産企業が増えてくることは懸念しておくべきでしょう。
早い段階から購買欲減を意識した戦略を立てていかないと、不動産業界や建築中心のゼネコンは痛い目に合うかもしれません。
増える倒産企業に備える
倒産企業はダメージの大きなエンターテインメント業界や飲食業界を中心に増えてくる可能性が考えられます。
この不景気の流れは建設業界や不動産業界にも当然及んでくるでしょう。
新型コロナウィルスの感染者が出た企業は、施工や営業自粛となる可能性もあります。
倒産企業の不良債権を抱えてしまい、連鎖倒産という事態には注意しなければなりません。
優良な企業でも大きな損失を抱えてしまう可能性もあります。
未入金は倒産企業の合図かもしれません。
債権回収は徹底して行わなければなりません。
まとめ 五輪延期で建設業界や不動産業界は先行き不透明
五輪延期や新型コロナウィルスによる影響で日本経済は混乱しています。
建設業界は比較的影響を受けずに推移していますが、今後の先行きは不透明です。
五輪延期による国や自治体の損失も大きく、経済対策に対する損失も大きいため景気の悪化はますます懸念されます。
一般消費者の購買意欲減や倒産企業への対策を考えて、準備をしていくことが大切ではないでしょうか。
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