ルールを守らない部下に手をこまねいている上司はたくさんいますよね。
特に何度注意してもまったく改善されない部下には困ってしまいます。
実際にこれまで試してみて修正できなかった方法があります。
それを踏まえてルールを守らない部下を改善する方法を考えてみましょう。
ルールを守らない部下の特徴
ルールを守れない部下の特徴を確認してみましょう。
仕事へのモチベーション・行動力・営業トーク力・人脈形成力は備えているかもしれません。
それでも、ルールを守れないことでトラブルを起こしたり、信用を持てないのは非常に残念な人材なのです。
指示事項を後回しにする
上司からの指示事項を後回しにするのは致命的です。
「承知しました」と指示を受けても、その場ですぐに行わないため指示事項を後回しにしたり、忘れたりしてしまいます。
上司は抱えている仕事を把握したうえで指示を出しています。
抱えている仕事の中で重要度の高い仕事を優先するように指示をしているのに、その仕事を後回しにしてしまうので、上司としても信用できなくなります。
信頼できる部下は上司の目の前ですぐに指示事項を実行しますが、指示事項を怠る部下は上司からの信用を得られないのです。
>>管理職目線で見る、信頼できる部下と信頼できない部下の違いとは?
期日を守れない
ルールを守らない部下は毎月期日が決まっている社内書類(出勤簿・立替清算など)でさえ、提出が遅れることがあります。
社内書類の期日というルールを守れない部下は、顧客への提出物の期日も疎かにします。
期日から逆算したスケジューリングをすることは、社会人の基礎となることです。
期日管理ができないということは、スケジューリングや仕事の段取りができないので仕事がうまくさばけません。
ルールを守らない部下は、仕事の段取りが悪く期日を守らないことが多いのです。
>>先回りして行動する力を身に付けよう!出世するための社内営業
ミスの修正ができない
ルールを守らない部下はミスの修正がなかなかできません。
注意されても怒られても同じミスを繰り返します。
同じ注意を何度も受けることは社会人として致命的です。
一度注意されたことは繰り返さないようにしなければなりません。
どれだけ仕組み化しても修正できないというのは、どこに問題があるのか確認する必要がありそうです。
ルールを守らない部下に試してだめだったこと
ルールを守らない部下に試してみた改善策を紹介します。
- 厳しく叱る
- 厳しい評価をする
- すべてを管理する
これらは実際にこれまで試してみましたが、改善されませんでした。
どのようなことを行ったか確認してみましょう。
厳しく叱る
教育係に厳しい係長を選任して、ミスの修正を図りました。
怒られることは誰しも嫌なものです。
怒られるのが嫌だから予防しようという動きを期待したのですが、結果としてはお互いにとって良くないものとなりました。
教育係の係長は修正できないミスに感情的になり、パワハラに近い叱責をし始めました。
>>部下のパワハラをやめさせるには?上司の立場で本気で取り組む
係長自体も精神的苦痛をかなり感じていたようです。
そして、ルールを守らない部下も厳しい上司に委縮するようになり、報連相が逆にできなくなってきてしまいました。
教育係を含む関係を離すことでパワハラはやめさせましたが、ルールを守らせることはできませんでした。
>>部下のパワハラをやめさせた!効果のあった指導と対策を紹介します
厳しい評価をする
人事考課において厳しい評価をしました。
実際に社内外のトラブル発生や、数字上も予算未達という結果に終わりよい評価はつけられません。
人事面談でも淡々と足りない部分や課題について話し合いました。
厳しい評価をした理由も合わせて説明し、解消させるように話し合ったのですが、これも効果はありませんでした。
良い評価のために頑張る、悪い評価が嫌だから修正するというのは、ルールを守らない部下には通用しないのです。
すべてを管理する。
やるべきことを日々リスト化させ、すべてを上司として管理して修正することを試みました。
しかし、やるべきことのリスト化に不足があったり、報連相の遅れで解消できませんでした。
教育係となる係長を外しすべて管理しようとしましたが、管理する側の負担も大きいためなかなかすべてを把握するのは困難です。
すべて管理しようとしても結局指示したことが報告されず、指示事項の進捗確認が発生してしまいました。
管理する側の負担も大きく続けるのは難しいということもわかりました。
ルールを守らない部下の改善策
これまでルールを守らない部下への施策を踏まえて、新しい改善策を取り入れたところ少し変化が見えてきました。
そこで決めた新しい改善策を記録しておきます。
自分でルールを作らせる
ルールを守らない部下自身に、必ず守るルールを作成させました。
最小限のルールとしたのでこれだけは絶対に守るという指針です。
●指示事項に関するルール
指示事項は上司の目の前ですぐに実行する
●外出に関するルール
不要な外出は行わない。当日・翌日に急なアポイントをいれない。
●社内書類に関する―ル
見積などの対外的な書類は期日の前日中に提出する。
社内書類は期日のAM中には提出する。
これらの段取りは期日から逆算し、行う時間を作る。
ルールを守らない部下自身が作ったルールです。
このルールに従わない行動がないかは管理していきます。
目に見える場所に掲示する
部下自身が作ったルールはいつでも確認できるように、デスク上に常に掲示させることにしました。
自分で作って常に見える化することで、強い意識づけをさせる狙いです。
ルールに対する意識が低いことが、修正できない原因であることは間違いありません。
毎日会社に戻ったらルールを確認するということが、強い意識改革となっています。
ここでのポイントは、手書きで書かせたことと目に見える場所に常に掲示されていることです。
ルールを守らないといけないと思いだすきっかけになっています。
できたときに褒める
部下がルールに従ってしっかりと行動できているときには行動を褒めるようにしました。
見られている意識にもなりますし、改善している実感を感じるにはプラスの声がけが重要です。
ルールを守れたときには褒めることを管理職側はルール化します。
できないときに注意するよりも、お互いに気持ちの良い声がけ習慣となります。
ルールを守らない部下には叱ることよりも褒めることの方が効果がありそうです。
ここは育児と似ていますね。
褒められたいから繰り返すことが、ルールを守る結果に繋がっていくのです。
ルールを守らない部下の改善策 まとめ
今まで色々な形で修正をしようと試みてきましたが、ルールを守らない部下には厳しく叱っても、細かく管理しても改善はしていきません。
部下にルールを守らせるためには逆効果となる方法もあるのです。
- 自分でルールを作らせる
- 目に見える場所に掲示させる
- できたときに褒める
無理やり改善させることはできませんので、 ルールを守らない部下にはいろいろと試して反応を見ながら解決を図っていきましょう。