一般競争入札は他の入札制度に比べ参加できる競合も多く、金額が読みにくい入札であるといえます。
それでも、一般競争入札は指名獲得にも繋がるチャンスですのでどうにか落札したいですよね。
そこで一般競争入札を落札するためのコツをご紹介します。
一般競争入札応札のポイント
「一般競争入札」は国や地方公共団体などが契約内容や入札の参加資格を「公告」して、要件を満たした業者すべてが入札に参加することができます。
一般競争入札は落札確率を高める前に、最低限押さえなければならないポイントがあります。
まずはそのポイントから確認していきましょう。
⇩一般競争入札って何?という方はこちらから
>>入札の仕組みをわかりやすく解説。基本となる3つの入札制度とは?
入札広告のチェック
一般競争入札に応札するためには、まず最初に応札できる案件を探さなければなりません。
せっかく条件に合っている案件があっても、見逃してしまっては応札すらできなくなってしまいます。
官公庁の営業担当者は必ず入札広告のチェックを毎日行いましょう。
各省庁の電子入札ページのチェックは必須です。
ただし、電子入札ページのチェックには注意が必要です。
どれだけ細かくチェックを入れていても漏れてしまうことがあるはずです。
発注者である官公庁は多岐に渡り、それぞれをチェックしているだけでも莫大な時間を要します。
それに合わせて、建通新聞やNJSSなどの入札情報サービスを有料登録することをおすすめします。
⇩建通新聞についてもっと詳しく
>>建通新聞ってどう?実際使ってみた感想、評判、口コミ【入札情報サービス】
キーワード登録しておくと、案件チェックを複数人で行えますので案件のチェック漏れを防ぐことができます。
入札要件のチェック
入札広告で応札できそうな案件を見つけましたら、細かく入札要件を見ていきましょう。
内容が対応できる案件であっても、応札できない・またはしないほうがよい案件もあります。
- エリア要件
- 登録業種要件
- 資格要件
- 過去の実績要件
- 施行可能かどうか
- 工程が調整できるか
これらを網羅している案件を拾い出さなければなりません。
参加できそうな案件でも、エリア要件が厳しく参加できない場合も多いのが実情です。
「○○市内に本社がある」などの要件は、地元業者しか応札できません。
入札要件をよく確認して、応札できる案件を探しましょう。
入札参加申請
入札参加申請の方法は自治体によって様々です。
電子入札の場合は、登録している電子カードリーダ―で入札参加申請を行えば終わりです。
しかし、いまだに直接参加申請書を提出に行かなければならない役所もあります。
よく入札参加申請の方法を確認して行いましょう。
参加申請期間は時間厳守です。
1秒でも遅れると参加できません。
書類の不備などの指摘が入ることもありますので、余裕を持って応札するよう心がけましょう。
一般競争入札を落札するためのコツとは
一般競争入札で落札をするためのコツをあげてみましょう。
- 予定価格をつかむ
- 最低制限価格をつかむ
- 過去の入札結果を確認する
- 競合の応札価格を予想
- 特記仕様書を正確に読み解く
これらを駆使して、一般競争入札の落札確率を高めましょう。
解説していきます。
予定価格をつかむ
入札には発注者が設定する予定価格が存在します。
数量や単価の積み上げにより予定価格は設定されます。
発注者が設定する予定価格以上で応札された場合は落札とはなりません。
つまり予定価格以下で応札しなければなりません。
予定価格は入札広告で公表している場合もありますし、非公開の場合もあります。
非公開の場合は、内訳書から官積を積み上げて予定価格を算出しましょう。
>>官積(官積算)とは?建設業界で使われる「官積」の正しい意味と作り方
予定価格を正確につかむことが、応札する上でのスタートラインとなります。
最低制限価格をつかむ
入札は最低制限価格設定の有無を必ず確認しましょう。
最低制限価格とは、応札額が設定された最低制限価格以下となった場合に失格となったり、低入札価格調査となったりする制度です。
最低制限価格が設定されていない場合には、最も安い応札業者が落札となります。
仮に1円で応札しても落札となりますが、落札して施行できないとなるとペナルティが課せられます。
最低制限価格がありの場合、金額が公表されている場合と公表されていない場合があります。
金額が公表されているときには、原価から計算して最低制限価格で応札するのが最も落札確率が高まります。
同額の落札業者多い場合にはその多くが、くじなどで落札業者を決定させます。
最低制限価格が公表されていないときには、予定価格から読み解く必要があります。
予定価格×何%か?
この掛け率は発注者ごとに設定しており、公表している場合としてない場合があります。
公表しているときには予定価格からの掛け率で計算して最低制限価格をつかみます。
公表していないときには過去の落札状況から推測するしかありません。
過去の入札結果を確認する
同一発注者の同様の入札結果は情報の宝庫です。
必ず応札前には確認しましょう。
確認すべきは下記のとおりです。
- 落札業者
- 落札金額
- 応札メンバー
- 予定価格
- 最低制限価格(失格ライン)
これらの情報から応札額を決めるための情報を得ましょう。
同様の内容であれば、前回落札金額や最低限価格は有力な情報になるはずです。
特に最低制限価格の失格ラインが読めるかどうかは重要です。
最低制限価格以上で最も安い金額の読み合いが入札の醍醐味です。
競合の応札価格を予想
競合の応札価格を予想することも重要です。
過去の落札結果や競合の情報を収集して、競合の応札価格を予想しましょう。
当然大きく外れることもありますが、過去の応札額の傾向は見えるはずです。
競合もまた同じことを考えています。
どのくらいの金額で応札してくるだろうかと読み合いになります。
特に最低制限価格のない案件などは安ければ落札できますが、利益も確保しなければなりません。
どこまで競合が落としてくるかを読み合うのが一般競争入札です。
特記仕様書を正確に読み解く
応札にあたって、特記仕様書を正確に読み解く力がなければ落札できません。
また、落札したとしても見落としがあれば、見込んでいなかった内容が増え、痛い目に合うこともあります。
特記仕様書とは、入札ごとに最も優先される設計書です。
>>特記仕様書とは?簡単に分かる!特記仕様書の意味と正しい読み解き方
正確に読み解いて原価を積み上げることが非常に大切です。
内訳書・図面・現地状況などと照らして、施工計画を考慮した上で応札しましょう。
一般競争入札を落札するためのコツ まとめ
一般競争入札の落札結果を高める方法は下記のとおりです。
一般競争入札を落札できれば、指名獲得にも繋がっていきます。
落札確率を高めるための工夫をしながら、応札していきましょう。